小田急9000形にとって本来の役目となる、営団地下鉄(現在の東京メトロ)千代田線への乗り入れが、1978年3月31日から開始されました。
千代田線からは6000系が小田急に乗り入れるようになり、新しい時代が始まったのです。

これに先立ち、代々木上原で9000形と6000系を並べた式典が行われ、記念のヘッドマークが装着されました。
この式典は直通運転が開始される日ではなく、それよりも前に行われたようです。

こうして千代田線に乗り入れるようになった9000形ですが、当初の本数はかなり少なく、かなり限定的なものでした。
これは小田急側の線路容量が限界に近い状態で、加えて新宿方面に向かう乗客が多かったことが理由のようです。

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1978年には車両の変化もありました。10両編成とした際、中間に入る先頭車に対して保安度の向上を目的とした改良が行われ、乗務員室内には貫通路を構成する仕切りを設置し、前面の手すりは大きなものに交換されました。

1985年7月には、9000形の歴史の中でも面白い出来事があり、国鉄から借り入れたマヤ34形を中間に挟み、軌道検測が行われました。
これは4両の9000形にマヤ34形を挟んだもので、9001Fと9006Fが充当されました。

直通運転の開始後はあまり大きな変化がなかった9000形ですが、1988年からは車体修理が開始されました。
化粧板の張り替えや、側面の表示装置を種別と行先を表示するタイプに交換するといったことが行われています。

そして、車体修理が始まった翌年、9000形は千代田線に乗り入れる役割を1000形に譲ることとなり、1989年に5運用のうち3運用が置き換えられました。
1990年には残っていた運用も1000形に置き換えられ、9000形が地下鉄線内を走る光景は過去のものとなったのです。

こうして地上専用車となった9000形は、4両と6両で違った使われ方をすることになっていきます。
続きは次回として、今回はここまでとしましょう。