2020年6月30日をもって、小田急1000形で唯一の8両固定編成である1081Fが運用を離脱しました。
当日は大騒ぎになったので、ご存知の方も多いかと思います。

かなりの騒ぎになってしまったため、7月1日の動向が注目されていましたが、1081Fが運用に入ることはなく、大野総合車両所では早速動きがありました。
廃車、リニューアル、組み替え、様々な説が出ていますが、現時点で見えていることを中心に考えてみたいと思います。

7月1日の時点で、冷房装置やパンタグラフ、車号板が撤去された車両が確認されています。
そして、ブランドマークもなくなっているようです。

このような状況から見えてくることは、1081Fが廃車になった可能性が高いということです。
リニューアルであればブランドマークをすぐに撤去する必要性がないため、ほぼ間違いないと考えられます。
しかし、サハ1181とサハ1381の2両が抜かれているとのことですので、これ以外の6両が廃車になったということなのでしょう。

1000形のリニューアルが発表された際、ワイドドア車を除く160両が対象とされており、1081Fもリニューアルが行われる予定でした。
今回1081Fの一部が廃車になったということは、当初の計画から変更が発生したということなのでしょう。

1000形のリニューアルについて、詳細な計画は発表されていませんでしたが、元々組み替えを行う予定はあったと思われます。
まずは当初の計画を推測してみましょう。

1051Fから1056Fまでの4両と、1251Fから1256Fまでの6両は、一部の先頭車を中間車化して10両化を行います。
元々10両の4本と合わせて、この時点で10両が10本となります。

残りは1057Fから1069Fまでの4両と、1081Fの8両となり、合計は60両です。
そして、1081Fから中間車を2両抜いて4両に組み込むと、6両が2本できます。
この2本と4両を組み合わせて、10両をさらに2本組みます。

こうすることで、最終的に10両が12本、4両が10本に整理され、かなり全体のバランスが良くなります。
元々の計画はこれだったと思うのですが、一部に廃車が出たということで、このような組み替えは行わないのでしょう。

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気になるのは、どのような計画変更があったのかという点です。
推測ではありますが、1081Fの廃車、1096F以降の改造が止まっている点から考えると、先頭車の中間車化をやめたと考えるのが自然でしょう。

この改造をしない場合、中間に入るサハが用意できなくなりますから、1081Fのサハが重要な存在となってきます。
小田急は8両を減らしていく方向性でしょうから、1081Fを8両のまま残すという選択肢はなかったのでしょう。
1081Fのサハは何らかの方法で10両化に活用されると考えられるので、10両固定編成が追加で登場するものと思われます。

気がかりなのは、現在未更新で残っている他の1000形の編成です。
10両化を進めている小田急では、4両や6両は過剰な状態となっています。
6両にもサハが含まれているので、もう1本ぐらいは10両ができるかもしれませんが、その他の編成のリニューアルがどこまで継続されるのかは、1081Fの廃車で未知数になりました。

2600形の組み替えが途中で中止になったり、5000形の6両がリニューアルからあまり経たずに廃車となったり、小田急には計画変更が過去にも発生しています。
1000形のリニューアルが今後どうなっていくのか、とても気がかりです。
そして、未更新車は全て廃車になるぐらいの覚悟で、記録をしていくことが一番大切なのかもしれません。