1983年に運行を開始し、合計で160両が製造された小田急8000形。
事故による損傷で8264Fが廃車となりましたが、現在も多くの編成が第一線で活躍しています。
運行開始から既に約37年となっている8000形ですが、後輩の1000形に廃車が発生したことで、廃車の順序が逆転する現象が発生しつつあります。
8000形がなぜこんなにも長生きしているのかを、今日は考えてみたいと思います。
大きく分けて、私は二つの理由があると考えています。
一つ目は、設計段階から考慮されていた腐食防止の対策と、徹底的に行われたリニューアルです。
普通鋼製車体を採用している8000形ですが、屋根、雨樋、床板にはステンレスが使われています。
腐食防止の対策はそれだけではなく、9000形や5000形の6両で下降窓を採用したところ、雨水が内部に入り込んだことによって腐食していたことから、8000形ではアルミニウム製のユニット窓とすることで防水の強化を図りました。
そして、8000形では徹底的なリニューアルも行われました。
車体は全ての塗装を一度剥離し、修繕後に再塗装を行っています。
機器についてもかなりの部分で一新されており、8251Fと8255Fが界磁チョッパ制御のままとされてはいるものの、その他の編成はVVVFインバーター制御への変更も行われました。
二つ目の理由としては、小田急にとって使いやすい車両であったということです。
東京メトロ千代田線への乗り入れができないという条件を除けば、小田急線上でかなり制限なく使えるのが8000形の魅力です。
そして、4両と6両の編成数が揃っていることに加え、まとまった編成数が在籍していることもプラスに作用したといえます。
近年の小田急は10両化を推進していますが、4両と6両を繋いだ8000形だけの10両は14本も組成することが可能で、運用上の扱いやすさが見えてきます。
編成のバリエーションが豊富で、仕様が揃っていなかった1000形との大きな違いがここにあります。
1000形は4両以外の編成数がそこまで多くなかったため、運用が分散してしまう形式でした。
そこで、リニューアルによって10両化を行い、その弱点を埋めようとしましたが、その計画自体に暗雲が漂いつつあります。
車体がステンレスで丈夫ではあるものの、未更新で運用上のまとまりがない1000形、更新済で使いやすい8000形、現状で使い勝手が良い車両がどちらかと聞かれたら、小田急としては8000形ということになるのでしょう。
5000形の登場によって数を減らすと思われていた8000形ですが、真っ先に廃車となったのは1000形でした。
今後は8000形にも廃車が出ると考えていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大による影響で、さらに延命する可能性も出てきたように思います。
8000形が今後どうなるのか、目が離せませんね。
事故による損傷で8264Fが廃車となりましたが、現在も多くの編成が第一線で活躍しています。
運行開始から既に約37年となっている8000形ですが、後輩の1000形に廃車が発生したことで、廃車の順序が逆転する現象が発生しつつあります。
8000形がなぜこんなにも長生きしているのかを、今日は考えてみたいと思います。
大きく分けて、私は二つの理由があると考えています。
一つ目は、設計段階から考慮されていた腐食防止の対策と、徹底的に行われたリニューアルです。
普通鋼製車体を採用している8000形ですが、屋根、雨樋、床板にはステンレスが使われています。
腐食防止の対策はそれだけではなく、9000形や5000形の6両で下降窓を採用したところ、雨水が内部に入り込んだことによって腐食していたことから、8000形ではアルミニウム製のユニット窓とすることで防水の強化を図りました。
そして、8000形では徹底的なリニューアルも行われました。
車体は全ての塗装を一度剥離し、修繕後に再塗装を行っています。
機器についてもかなりの部分で一新されており、8251Fと8255Fが界磁チョッパ制御のままとされてはいるものの、その他の編成はVVVFインバーター制御への変更も行われました。
二つ目の理由としては、小田急にとって使いやすい車両であったということです。
東京メトロ千代田線への乗り入れができないという条件を除けば、小田急線上でかなり制限なく使えるのが8000形の魅力です。
そして、4両と6両の編成数が揃っていることに加え、まとまった編成数が在籍していることもプラスに作用したといえます。
近年の小田急は10両化を推進していますが、4両と6両を繋いだ8000形だけの10両は14本も組成することが可能で、運用上の扱いやすさが見えてきます。
編成のバリエーションが豊富で、仕様が揃っていなかった1000形との大きな違いがここにあります。
1000形は4両以外の編成数がそこまで多くなかったため、運用が分散してしまう形式でした。
そこで、リニューアルによって10両化を行い、その弱点を埋めようとしましたが、その計画自体に暗雲が漂いつつあります。
車体がステンレスで丈夫ではあるものの、未更新で運用上のまとまりがない1000形、更新済で使いやすい8000形、現状で使い勝手が良い車両がどちらかと聞かれたら、小田急としては8000形ということになるのでしょう。
5000形の登場によって数を減らすと思われていた8000形ですが、真っ先に廃車となったのは1000形でした。
今後は8000形にも廃車が出ると考えていましたが、新型コロナウイルスの感染拡大による影響で、さらに延命する可能性も出てきたように思います。
8000形が今後どうなるのか、目が離せませんね。
コメント
コメント一覧 (5)
ちなみに2600の組み替え&VVVF化って2051デビューと時期は大して変わらなかったような気が…というか、2054移植前提でやってたりしてね(苦笑
ワタシダ
がしました
京王や南海のケースではどちらも鋼製車がステンレス車より先に廃車になっています。京王3000系は井の頭線の20メートル車への置き換えによる輸送力増強に伴って引退しましたが今でも譲渡先で多数が活躍中です。南海の6000系は60年近く高野線を走ってきましたが今でも車体は全く問題がないそうで、その為下回りをVVVF化する案もあったようですが片開のドアがネックとなり引退が決まりました。
京王も南海も同時期に2つの線区に新車を投入していますが事故による車体修理の問題を考慮して踏切事故の多い線区(京王線、南海本線)に鋼製車体の車両(京王5000系、南海7000系)、事故の少ない線区(井の頭線、高野線)にステンレス車体の車両(京王3000系、南海6000系)を投入しました。南海は海の近くを走る本線にステンレス車を投入したかったのですが当時の南海本線は踏切事故が多く事故の際ステンレス車の修理の難しさを考慮して高野線に投入しました。
小田急は車両を丁寧に使っている印象がありますが鋼製車体の8000系はその代表のような車両だと思います。
ワタシダ
がしました
8000と1000では生い立ちと言いますか用途も少々異なるところがありますし。
8000は5000の後継的な地上運用のオールラウンド、1000は近郊区間各停の8両化や千代田線直通用途。それ故に10両固定編成が登場して6両固定編成が少数で終わってしまったのかと思います。
ワタシダ
がしました
このことから何が伺えるかというと、やはり使い勝手こそが車両の寿命を左右するっちゅうことです。
ワタシダ
がしました
1000型や2000型の8両は代々木八幡駅10両化により、8両が有効長の駅がなくなった事で残す必要が薄れた事が大きいでしょう。
経年が浅い3000型8両は全て10両化すると思いますが、1000型や2000型8両は経年がある事。
取り分け2054fは2600型の機器を流用している事から、早期の置き換えが必要に見えます。
恐らく8両全廃して分割型の8000型と3000型は各停。
4000型は千代田線専用。
1000型と新5000型10両が優等列車に回すような気がします。
ワイドドアと8両編成が新5000型の置き換え対象な気がします。
ワタシダ
がしました