1000形の1081Fに廃車が発生したことで、ステンレス車だから安心はできないという空気が小田急ファンの間に広がりました。
それまでは、8000形の界磁チョッパ制御で残る編成や、1000形のワイドドア車が危ないと思われていましたが、1081Fの件で一気に分からなくなりました。

そのような中で出てきたのが、8両だから2000形の廃車が近いのではないか、特に機器を流用している2054Fが危ないのではないかという噂です。
確かに、2054Fは2600形の2666Fから主電動機と制御装置を流用しています。
今回はこの噂について、検証してみようと思います。

まず、2000形の廃車時期が近いのではないかという点ですが、可能性としてはかなり低いと考えられます。
2000形は近年も細かい部分のメンテナンスや改良が行われており、仮にこのタイミングで廃車になるとすると、さすがに無計画すぎるといえるからです。

8両が厄介者になってきているという視点もありますが、3000形と合わせればそれなりの本数がまだ在籍していることと、収容スペースの観点からすぐに全車を10両に置き換えるのは難しいでしょう。
これらの点から考えて、2000形がすぐに廃車となる可能性は低いと思われます。

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続いて、機器流用車の2054Fが危ないのではないかという点です。
2054Fは2600形の2666Fから機器を流用し、2000年に竣功した編成です。

2600形の2666Fは、8両固定編成化を進める中で余剰になった先頭車と中間車を集め、2000形と同様の制御装置と主電動機を用いて組成した編成です。
この編成は1995年に登場しましたが、2600形の8両固定編成化自体が途中で中止となったため、この改造は1編成のみで終わりました。

ところで、2000形の2051Fと2052Fは1995年に竣功しています。
2054Fの機器は確かに少し古いのですが、2051Fや2052Fと同時期であり、2000形の中で極端に古いということはなく、誤差の範囲といえます。
以上のことから、2054Fだけを早期に廃車する必要性はないように思われます。

近年の車両動向から、2000形の存在が徐々に中途半端になってきているのは間違いありません。
リニューアルが行われずに廃車となる可能性はありそうですが、それはもう少し先のことでしょう。