他形式から主電動機等を流用し、1966年から製造が開始された小田急4000形。
近代的な車体で吊り掛けモーターの音を奏でる車両で、そのアンバランスさが魅力の一つとなっていました。

4000形は2600形と同様の車体を持つ車両でしたが、足回りは旧態依然とした吊り掛け駆動方式でした。
見た目はほぼ同じ車両ですが、性能は大きく異なっていたのです。

その性能の違いを明確にするため、4000形の乗務員室は薄い桃色に塗られていました。
他の高性能車は緑色が基本で、色によって区別されていたのです。
同様に1800形等も薄い桃色とされており、併結できる車両を判別できるようになっていました。

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小田急の通勤型車両で最後の吊り掛け駆動車となった4000形は、1985年から2400形の機器を流用して高性能化され、その際に乗務員室の配色も他形式と同様の緑色となりました。
長い間区別されていた4000形は、ようやく他形式とほぼ同じように走れるようになったのです。

こうして高性能車の仲間入りをした4000形でしたが、2600形の後を追って廃車となり、2005年に形式消滅しました。