ワイドドア車以外の全車両を対象として、2014年度から開始された小田急1000形のリニューアル。
しかし、あまりにものんびりとしたペースでの施工が続いていたところ、1081Fに廃車が発生したことで、計画に変更が生じたことが決定的となりました。

1000形は小田急で初めてオールステンレスの車体を採用し、1988年に営業運転を開始した車両です。
登場から25年以上が経過し、各部の老朽化が目立ってきたことから、リニューアルを行って省エネルギー化の推進と車内の快適性を高めることとなりました。

こうして1000形のリニューアルが開始されたのですが、過去の車両と比較すると、製造からリニューアルを開始するまでの年数が長くなっています。
過去の事例を振り返ると、2600形が約21年、4000形が約19年、9000形が約17年、5000形が約22年、8000形が約21年となっており、製造から20年前後で施工が開始されていたのが分かります。
1000形のリニューアルは、製造から約27年が経過してから始まっているので、そもそも開始時期がかなり遅かったのです。

リニューアルを開始するのが遅れた理由は、8000形のリニューアルを終えるのに時間をかけすぎたためだと考えられます。
8000形は全編成をリニューアルするのに約11年を要しており、製造期間の倍ぐらいの年数を費やしていたのです。

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8000形は全部で160両ですから、これをかかった年数で割ると、1年で約15両がリニューアルされていたことになります。
2019年度末時点で、小田急には944両の通勤型車両が在籍していますが、車両の寿命を40年として計算した場合、1年に24両ぐらいのリニューアルを進めないと間に合わないのです。
昔はこのぐらいのペースでリニューアルをしていたので、8000形や1000形の施工ペースはやはり遅いといえます。

1000形を何年ぐらい使うつもりだったのかは分かりませんが、全編成にリニューアルを施工する計画自体が、かかっている年数を考えると破綻していたともいえそうです。
今後、2000形や3000形のリニューアルがどうなっていくのか、そもそも施工されるのか、気になることばかりですね。