引退した車両を多く保存し、2021年にはロマンスカーミュージアムのオープンも控えている小田急。
ロマンスカーを中心として、9形式が保存されています。

複々線化の完成に伴う留置線の確保を理由として、一部の車両が整理されたものの、私鉄としては多くの車両を保存している状態といえるでしょう。
しかし、ロマンスカーミュージアムのオープンを機に、保存する定位置が決まってしまい、現状では空きスペースがない状態となってしまいました。

このような状態から気になるのは、小田急で今後保存される車両があるのかという点です。
既に保存している車両を解体するのは、これまでの経緯から考えると難しいでしょうし、新たに保存すれば置き場所の確保という問題が再燃してしまいます。
現時点で将来的な保存スペースを残しているようにも思えません。

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そして、小田急が自らを今後苦しめることになってしまうであろう前例が、SE以降の全てのロマンスカーを保存しているという点です。

現在は第一線で活躍しているEXEやVSEも、いつかは引退の時期を迎えます。
その時が訪れた際、前例を踏襲して保存するのか、方針転換して潔く解体するのかという選択を迫られるのです。
前者であれば保存するスペースやコストの問題があり、後者であれば様々な議論を呼ぶことになるでしょう。

しかし、保存する車両を増やし続けることは現実的に不可能でしょうから、どこかで線を引かなければいけません。
ロマンスカーミュージアムのオープンという節目が、もしかしたら線を引くタイミングなのかもしれませんね。