通勤型車両としては久々の新形式となる5000形が営業運転を開始し、少しずつ車両の置き換えが行われている小田急。
ロマンスカーではLSEがGSEに交代し、近年は車両の動きが活発になってきました。
今回は過去の車両の動きを参考にしつつ、10年後の小田急でどんな車両が走っているのかを考えてみたいと思います。

まずはロマンスカーですが、現在は4形式が在籍しています。
最も古い形式は30000形ですが、近年リニューアルが行われていることを考えると、10年後はまだ走っている可能性が高そうです。

その反面、危ないのが最後の連接車となっている50000形です。
2005年に営業運転を開始したVSEは、車齢としてはまだまだ新しい部類に入るロマンスカーですが、連接構造や編成構成の違いが課題になりつつあり、近年は故障する頻度も上がってきました。

過去にはHiSEやRSEがバリアフリー化への対応が困難と判断されて廃車になっており、ホームドアの設置を進める際に障害となるVSEは、2030年の段階では廃車となっているかもしれません。
その場合は、観光向けの別のロマンスカーが登場しているのでしょう。

続いて、動きが読みにくい通勤型車両について考えてみます。

2019年度から製造が開始された5000形は、次世代の小田急の標準車両として、今後大量に増備されていくと予想されます。
全てが10両固定編成となるのかは分かりませんが、4両や8両が登場する可能性はかなり低いでしょう。

登場する可能性があるのは6両固定編成ですが、3000形に多くの6両があることを考えると、これを増やすメリットはあまりないといえます。
見方を変えれば、仮に6両固定編成が登場する場合、新たに6両の車両が必要な理由がなければいけなくなりますから、それはそれで考えさせられることになるでしょう。

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そして、最も気になるのが置き換えられている形式です。
最近の車両動向から考えた場合、1000形は未更新車を中心にある程度の廃車が行われると推測されます。
リニューアルが行われた編成は、2030年の段階でも走っていそうですが、リニューアルの開始から15年程度が経過している時期なので、廃車が始まっているかもしれません。

かなりの長寿形式となっている8000形については、2030年の段階だとさすがに全車廃車になっていると考えられます。
リニューアルが2013年度に完了、2030年度の段階では15年以上が経過していること、最終増備車の登場から40年を超えていますから、残っていたとしても数編成ではないでしょうか。

最後に、心配なのが2000形です。
8両固定編成は、現在の小田急で最も中途半端な存在となりつつあり、大規模な改造をしない限り長く残すメリットがありません。
しかし、1000形の未更新車が廃車となっている現状を前提にすると、組み替え等の改造が行われる可能性はかなり低いでしょう。
2030年の段階では、残っているか残っていないか、そのような段階になっていると思われます。

ここまでで考えてきたことは、あくまでも普通に考えた場合です。
新型コロナウイルスの感染拡大による影響がどの程度出てくるか、それによって今後の動きは大きな影響を受けるでしょうから、そういった面ではかなりの不確定要素があるともいえますね。

ロマンスカーは時代に合わなければ早期に置き換えられます。
そして、通勤型車両を置き換える場合には、かなりの規模になることが多いのが小田急です。
歴史は繰り返されるものですから、過去の動きは参考にしておきたいものですね。