1982年に第1編成が竣功、1987年までに合計160両が製造された小田急8000形。
一部の編成に廃車が発生しているものの、多くが第一線で活躍を続けています。

8000形は5000形の6両の製造が終わった後、フルモデルチェンジを行って登場した形式です。
営団地下鉄(現在の東京メトロ)千代田線への直通用として登場した9000形を例外とすると、地上線の専用形式としては、前面デザインを含めて久々に刷新された車両となっています。

前面デザインの変更が目立つ8000形ですが、それ以外にも多くの部分が変更されている車両です。
外見上では、冷房装置のキセを2台連続型としたこと、ユニット窓化に伴うアルミの縁取り等が目立ちます。
車体の一部にステンレスを使用する等、腐食対策が徹底されていることも特徴です。

足回りについても大きく変更されています。
多くの形式で電動車と付随車の車輪径を異なるものとしてきた小田急ですが、8000形では860mmに統一されました。
その他、界磁チョッパ制御の採用や、増備途中で補助電源装置がSIVに変更される等、多くの改良が行われています。

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車内も大きく変更され、化粧板が模様入りのものに、全ての妻面に扉が設けられる等、従来の車両とは全く異なるものになっています。
増備の最終段階では、配色が暖色系に変更され、1000形へと引き継がれていきました。
天井の構造もそれまでとは大きく変わり、ラインデリアが長手方向の配置となり、以後の標準となりました。

このように、多くの部分が変更された8000形は、その使い勝手の良さから常に第一線で活躍、現在も優等列車を中心に使われています。
徹底的なリニューアルが行われたこともあり、最古参ながらもうしばらく活躍する姿が見られそうですね。