小田急の通勤型車両に早くから装備されていたスカート。
2600形以降の大型車は全車両に装備されており、昔は小田急らしさを演出するアイテムの一つでした。

小田急のスカートは、3000形で大きく形状が変更されるまで、若干の違いはあるものの、似たような形状をしていました。
形式や向きによって欠き取りの有無等がありましたが、車体修理等の際に統一されていく傾向があり、徐々に違いが減っています。

2600形、4000形、5000形、9000形には、56芯ジャンパ連結器が装備されていた関係で、スカートに対応した穴が開いていました。
56芯ジャンパ連結器が撤去されたことで、これらの穴は不要となったため、2600形と4000形は最終的に全編成が埋められました。

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穴が埋められたことで整ったスタイルになった2形式でしたが、それ以外の5000形と9000形は引退までそのままで、最後まで埋められることはありませんでした。
車体修理はどちらにも行われていましたが、スカートはそのままとされたのです。

理由は定かではありませんが、バブル崩壊後の不景気や、複々線化への投資が影響しているのかもしれません。
穴を塞ぐことに大きな意味はないでしょうから、そういった部分にコストをかけることを避けたのではないでしょうか。
9000形の車体修理は、バブル崩壊前の1989年から開始されているので、それだけを理由にはできないのですが、複々線化工事の着工が1989年であることを考えれば、時期としては一致します。

近年は再びスカートの改造が行われるようになり、昔より余裕があるのかもしれませんね。
しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、今後は再びそういった細かい改良が行われなくなるのかもしれません。