新型コロナウイルスの感染拡大によって、急激な変化が生じている通勤電車の需要。
緊急事態宣言の解除後は乗客がかなり戻っていますが、私が小田急を通勤で利用する際も、以前に比べると空いているように感じます。
時差通勤やテレワークが広がり、少しずつ変化が生じているのでしょう。

朝には揃って満員電車で都心に向かい、夜に自宅へと電車で帰宅するというライフスタイルは、今後少しずつ減っていくのかもしれません。
混雑の緩和や所要時間の短縮を目的として、小田急では都心部の複々線化を進め、2018年に代々木上原から登戸までの事業が完了しましたが、想定を超える勢いで世の中に変化が起きつつあります。

通勤電車の需要が急激に落ち込むことはないと思われますが、5年後、10年後で考えた場合、テレワークが今以上に定着すると、利用者の落ち込みは避けられないように思われます。
小田急も例外ではないと考えられますが、その場合は莫大な投資を行った複々線が重荷になる可能性もあります。

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2018年の複々線化完成に合わせ、小田急ではモーニングウェイ号を登場させました。
線路容量に余裕が生まれたことで、朝ラッシュ時に都心に向かうロマンスカーの設定がしやすくなり、平日は11本が運転されています。

各社で増えつつある通勤ライナーですが、小田急の場合はロマンスカーを使用した列車であり、単純な有料座席以上の価値があるといえます。
複々線化の完成後も、快速急行を中心に混雑率が高い状態が続いており、モーニングウェイ号の増発は簡単ではありませんでした。
しかし、今後利用者の落ち込みが進行した場合には、モーニングウェイ号を増発することで、収益性の改善を行う可能性は十分考えられそうです。

今後の通勤というものがどうなっていくのか、現時点で正確に予測するのは難しいでしょう。
確実なことは、現在より減ることはあっても、増えることはおそらくないということぐらいです。
ロマンスカーという強力な武器を持つ小田急が、これを今後どのように活用していくのか、ピンチをチャンスに変えることを期待したいと思います。