路線が長いのにもかかわらず、全線に渡って混雑している小田急線。
現在は優等列車が中心のダイヤとなっており、急行と快速急行、それにロマンスカーを加え、多くの乗客を日夜輸送しています。

新宿から小田原まで、現在はほとんどの区間で宅地化が進みましたが、昔は多摩川を境として人口密度に大きな差がありました。
小田急の列車運行もそれに合わせたものとされ、新宿から向ヶ丘遊園までをサバー区間、そこから先の区間をインター区間と称し、列車の運行本数に大きな差があったのです。

開業時にはどれぐらいの差があったのかというと、サバー区間が10分程度の間隔だったのに対し、インター区間は45分以上となっていました。
運行本数の差は徐々に縮まっていきますが、昭和から平成になる頃のサバー区間には多くの各停が走っており、現在とはだいぶ状況が違っていました。

1990年頃のサバー区間には、日中でも1時間に10本程度の各停が走っていました。
現在は6本程度ですから、かなり多かったといえます。
向ヶ丘遊園までの運転となる列車が多く、そこから先は各停が減少する分を準急が補完するダイヤとなっていました。

20201004_04

当時の種別は、各停、準急、急行、特急の4種類しかありませんでしたが、急行の運転本数も現在とはかなり異なっており、日中でも1時間に4本しか走らない時間帯があったほどです。
急行と快速急行を合わせると、1時間に12本も走っている現在と比較すると、相当な違いがあったことになりますね。

インター区間の宅地化が進むのに合わせ、サバー区間の各停は徐々に本数が減少、優等列車の本数が増えていきました。
車両は高加減速を重視した性能となり、優等列車の間を各駅停車が走り抜けています。

沿線人口の増加で大きく変化してきた小田急の運行形態。
今後はどのような変化をしていくのでしょうかね。