小田急で最大の勢力を誇り、全線でその姿を見ることができる3000形。
増備の途中で数々の仕様変更が行われ、その後は組み替えも生じたことから、多くのバリエーションがある形式です。

3000形は2000形に引き続き、前面や側面の表示器をLED式としました。
初期の車両は側面の表示器がやや小さいものでしたが、3259Fからは大型のものに変更され、以後の車両は全てそのサイズとなっています。
そして、7次車となる6両の3276F、8両の3664F以降はフルカラーのLED表示器となり、3色のタイプよりも視認性が良くなりました。

方向幕と比べた場合に視認性が劣っていたLED表示器ですが、フルカラーになったことで表現の幅も広がり、種別も色での表現が容易となりました。
8000形のリニューアルでも、途中からフルカラーのLED表示器に変更され、小田急の標準装備となっていきました。

ところで、7次車が登場した2006年から15年近くが経過しましたが、現在の3000形はどうなっているのでしょうか。
組み替えが行われたことで、当初とは編成が変わっていますが、現在の姿を見てみましょう。

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正直な感想を述べれば、見やすいとはとてもいえない状況になっています。
方向幕と比べれば耐久性が高いLED表示器ですが、当然経年劣化は生じるため、徐々に照度の低下等が発生するのです。

徐々に劣化が進んでいるのは分かっていましたが、最近はかなり酷い状態になりつつあり、視認性の面で問題となってきました。

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現在は3092Fとなっている3281Fが、まだ登場から年数が経っていなかった頃の姿です。
LED表示器がまだ綺麗で、かなり見やすかったことが分かります。

フルカラーになったことで、視認性の面では方向幕に追いついた印象のLED表示器ですが、経年劣化が進んだ状態になると、このような問題が生じてくることが分かります。
新しい表示器に交換をすれば解決する問題ですが、そう簡単に進められるものでもなく、短期間での解決は難しそうです。
この状態でさらに年数が経過すると、より一層見にくくなってしまうかもしれません。

保守性の面では劣っていた方向幕ですが、視認性という面ではまだ分があるのかもしれませんね。