最近の鉄道車両では当たり前となった、種別や行先表示の英字併記。
小田急も例外ではなく、在籍する全ての車両が英字併記に対応した表示装置を備えています。

本格的に英字併記化が行われる前から、小田急では一部の車両にのみ英字併記がある行先幕が見られました。
東京メトロ千代田線に乗り入れをする、9000形と1000形の前面行先表示幕だけが英字併記となっており、種別幕や側面は日本語のみとなっていました。

このような状態が長く続きましたが、2002年に湘南急行と多摩急行が登場するタイミングで行われた種別幕の交換で、側面のみが英字併記のものとなっています。
側面の行先も英字併記となっていきますが、種別と同時ではなかったため、少し遅れて交換が開始されています。

このタイミングで前面の種別幕も交換されていますが、なぜかこちらは日本語のみのままとなっています。
また、2600形の側面には種別のみを表示するタイプが残っていましたが、これも英字併記化はされませんでした。

こうして前面は日本語のみ、側面は英字併記という状態になった小田急ですが、2002年の終わり頃に再度前面種別幕の交換が開始され、2600形を除く各形式の種別幕が英字併記へと変更されます。
小田急らしい無計画さを感じさせてくれますが、どういった理由で再度交換することになったのかはよく分かりません。

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ところで、このタイミングでは9000形と1000形以外の前面行先幕が日本語のみのままとなっていました。
こちらは種別幕の交換から少し遅れた2003年の初めに交換が開始され、順次英字併記化されていきました。
小田急顔の車両は窮屈な表示となってしまい、当時はそこまでしなくてもという声がよく聞かれました。

短期間で幕の交換を繰り返した小田急ですが、これでもまだ終わりませんでした。
2004年10月頃から、今度は快速急行や区間準急の登場に合わせて種別幕の交換が開始され、現在のような種別ごとに地色が異なるものとなりました。

これでようやく定まったようで、通勤急行や通勤準急の登場に合わせた幕の交換まで、大きな変化はありませんでした。
現在はほとんどがLEDの表示器となったため、見た目の変化は少なくなる傾向のようですね。