2001年に第1編成が登場し、その後の大量増備で小田急最大の勢力となった3000形。
小田急に乗れば必ず見られる形式となっており、全346両が活躍しています。

登場から約19年が経過した3000形ですが、最終増備の中間車は2019年の製造となっており、製造期間が長いことも特徴の一つです。
今回はそんな3000形について、気になる今後を考えてみたいと思います。

製造期間の長さ

新旧で約18年の開きがある3000形ですが、他社では国鉄103系が約21年、東武8000系が約20年、京急1000形が約19年ですから、3000形もこれに匹敵する期間です。
実際には、編成単位の製造は2007年の3282Fまでで、その後は増結用の中間車が少数増備されたのみとなっています。

全346両のうち、後から製造された中間車は34両しかなく、312両は2007年までに製造されているということになります。
つまり、多くの車両が製造から15年以上となってきており、徐々に手が入れられるような時期となりつつあるのです。

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小田急が車両の更新を開始する時期

最近は徐々に遅くなりつつありますが、小田急では製造から20年程度が経過すると、車両の大規模な更新を開始しています。
3000形もこの時期になりつつあり、1000形が全編成に施工しないことが明らかとなった今、次は3000形となる可能性もあります。

1000形の次は本来だと2000形ですが、8両が9編成という中途半端な存在であり、更新をせずに廃車となる可能性があります。
3000形は6両や10両が多いことから、運用上のデメリットはそこまでありません。

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近年はLEDの表示装置をフルカラーのものに交換した編成もあり、少しずつ手が加えられるようになってきましたが、大きな改造が行われた編成はまだありません。
最新型の車両と比較すると、サービス面で見劣りする部分も出てきており、そろそろ何らかの動きが出てきてもおかしくはないでしょう。

3000形の大規模な更新は行われるのか

1000形が全編成更新されず、2000形もどうなるか分からない中、3000形に対して大規模な更新は行われるのでしょうか。
160両が在籍する8000形の全てを更新するのに約11年を要したことから、3000形を全て更新すると考えた場合、20年前後かかることが見込まれます。

私は、最近の小田急の動きを前提とした場合、これだけの両数を更新する可能性は低いと考えています。
4編成しか在籍しないワイドドア車や、初期の編成を除外した場合でも、200両以上の3000形が在籍していますから、更新をするとしても限られた両数になるのではないでしょうか。

そして、仮に更新をしない編成がある場合、気になるのは今後どのように扱われるのかという点です。
近い将来に廃車が見込まれる8000形と、3000形の足回りは同時期のものとなっているため、機器の老朽化が心配される時期となりつつあります。
最低限の機器を交換して延命する、比較的早期に廃車となること等が考えられますが、まだ他に多くの廃車候補がいることを考えると、現時点では予想がしにくいというのが正直なところです。

おわりに

5000形が登場したことで、垂直車体のデメリットが目立つようになってしまった3000形。
大量に在籍するこの車両を今後どのように小田急が扱っていくのか、少し先を見据えると気になる時期になってきましたね。