現在は全席が禁煙となっている小田急ロマンスカー。
年々禁煙や分煙が強化されていますが、昔はロマンスカーの車内でタバコを吸うことが可能で、それを目的に乗車する方もいたようです。

今回はロマンスカーへの禁煙車の設置から、その後の全席禁煙化までを振り返ってみたいと思います。

ロマンスカーの車内でタバコが吸えた時代

現在の状況からは信じられませんが、昔はロマンスカーの全車両でタバコを吸うことができました。
昔は喫煙者が多く、当たり前のようにどこでもタバコが吸えたのです。

ロマンスカーに禁煙車が設置されたのは1987年7月1日からで、HiSEが登場する少し前のことでした。
禁煙車は1号車から3号車に設置され、下り列車に限っては展望席でタバコが吸えなくなりました。

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禁煙化と分煙の拡大

時代が昭和から平成に変わると、社会的に禁煙化が進み始めます。
小田急でも1995年5月から駅構内が終日禁煙となりますが、喫煙コーナーでのみタバコを吸うことが可能で、まずは分煙となっていました。

ロマンスカーにも動きがあり、1999年2月から喫煙車に空気清浄機の設置が始まります。
具体的な時期は不明ですが、禁煙車の割合も増えていきました。

そして、2002年に健康増進法が公布、2003年に施行されると、日本の交通機関では禁煙化が強化されていきます。
東急や京王、小田急も含めた関東の私鉄各社は2003年に駅構内の喫煙コーナーを廃止、この頃から一気に禁煙化が進んでいきました。

ロマンスカーの全席禁煙化

2005年から営業運転を開始したVSEは、全席を禁煙席とした初めてのロマンスカーとなりました。
当初は3号車と8号車に喫煙コーナーがあり、席から移動すれば車内でタバコを吸うこと自体は可能でした。

より一層の分煙をVSEで進めた小田急でしたが、2007年3月18日より全てのロマンスカーが全席禁煙化され、車内でタバコを吸うことはできなくなりました。
VSEに設置されていた喫煙コーナーも使用停止となり、現在はパンフレットを置くスペースとなっています。

おわりに

少しずつ進められた小田急ロマンスカーの全席禁煙化。
全席禁煙化の直後には、元喫煙車に当たると汚れや臭いが目立つ時期もありました。

MSE以降の車両は最初から車内が禁煙となっており、元喫煙車だった車両もほとんどなくなりましたね。