先日から休車となっていた小田急1000形の1068Fですが、残念ながら廃車となることが確定してしまったようです。
2019年度から製造が開始された5000形は、新しい編成が営業運転を開始した後、置き換え候補の車両がしばらく休車となった後に廃車となっており、今回も同様のパターンとなりました

今回の1068Fの廃車によって、1000形の廃車が今後どのように行われるのかが予想できるようになったため、今回はその点を整理してみたいと思います。

1000形の1068Fとは

4両の4次車として1990年に登場した編成で、営団地下鉄(現在の東京メトロ)千代田線への乗り入れは考慮されず、当初から小田急線内専用として製造されました。
新宿方の先頭車には、それまでの編成には準備されていた、JR東日本のアンテナを取り付けるための台座がないことが特徴です。

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製造から廃車までは約30年で、残念ながらリニューアルが実施されることなく廃車となってしまいました。
登場後に大きな改造が行われることはなく、集電装置のシングルアーム化、制御装置のソフト変更や純電気ブレーキ化といった、全社や1000形の全編成規模で実施されたものだけとなっています。

1068Fの廃車から分かる1000形の今後

現在までに発生した1000形の廃車は、編成の組み替えを伴うリニューアルが想定される編成に限定されていました。
今回廃車となった1068Fは、この法則に当てはまらない編成であり、1000形の廃車がある程度まとまった数となることを暗に示しているといえます。

元々の計画では、8両の1081Fと4両を3編成組み合わせ、10両を2編成とする予定だったと考えられるため、4両についても多くの余剰となる編成が発生するのでしょう。
現在未更新で残っている編成については、10両の1092Fを除いて全てが廃車となる可能性も考えられるようになってきました。
初期の編成は製造から約33年となっており、新車と置き換えたほうが効率が良いと判断されたものと思われます。

おわりに

小田急の車両としては、久し振りに全車両が更新されないこととなった1000形。
編成によって明暗が分かれてしまい、未更新車は数年で姿を消すことが予想されます。
最後の活躍となりつつある未更新車を、これからも見守っていきたいと思います。