2003年度にリニューアルが実施された8254Fから、VVVFインバーター制御への変更が行われた小田急8000形。
最終的にはほとんどの編成がVVVFインバーター制御となり、2002年度にリニューアルが実施された8251Fと8255Fのみが界磁チョッパ制御のまま残ることとなりました。

以前は他の8000形の編成と同様、10両で全線を走っていた界磁チョッパ制御車ですが、いつの間にか併結を伴う運用には充当されなくなり、6両単独で走る運用に限定されて使われています。
今回は8000形の界磁チョッパ制御車がいつから併結を行わなくなったのか、過去に撮った写真等を参考にしつつ、考えてみたいと思います。

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リニューアル後の8251Fと8255Fによる10両編成

8000形で初の更新車となった8251Fと8255Fは、2002年度に揃って施工されました。
この2編成のみは界磁チョッパ制御のままとなっており、施工後も未更新車と全く同様に他の4両と併結をすることが可能でした。
未更新車との併結は当たり前のように見られ、4000形、5000形、9000形、1000形の4両とも、日常的に10両を組んで使われました。

6両からリニューアルが進められた8000形でしたが、2007年度からは4両も施工されるようになります。
ブレーキ読み替え装置を4両の更新車は搭載していないため、この段階で電磁直通ブレーキの車両とは繋ぐことができなくなり、8251Fと8255Fの8000形同士の併結相手は未更新車に限定されるようになりました。

通勤型車両による分割併合の廃止と併結相手の減少

2008年3月15日のダイヤ改正において、小田急では急行の分割併合が大幅に削減されました。
分割併合によって併結相手が頻繁に変わるということがなくなり、10両の併結相手は半固定的となっていきます。

この時点では9000形が既に引退しており、残る併結相手は5000形、8000形の未更新車、1000形となっていました。
5000形は徐々に廃車が進められ、8000形の4両も更新車の割合が増加、8251Fと8255Fの併結相手となる車両は徐々に減少していきました。
そして、2012年3月17日のダイヤ改正で通勤型車両による分割併合は消滅し、前日には最後まで残っていた5000形も引退しました。

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これ以降は未更新車の4両と編成を組むことが多くなり、界磁チョッパ制御車同士で安定した走りを見せてくれました。
しかし、4両のリニューアルが進むことで安定した併結相手を失うこととなり、2013年度に8000形の全編成が更新車となった後は、専ら1000形が8251Fと8255Fの相棒となりました。

10両を組む運用からの撤退

1000形と組んで10両で走っていた8251Fと8255Fでしたが、2014年3月15日のダイヤ改正で運転曲線の見直しが行われ、このタイミングから10両として走ることがなくなったようです。
断定できる情報を持っていないのですが、Twitterで寄せられた情報や、私が撮った写真で10両が写っているのが2014年2月22日が最後となっていることから、ほぼ間違いないと思われます。
そして、ダイヤ改正以降の界磁チョッパ制御車は、単独で走っている写真しか残っていませんでした。

以前イベントで運転士の方が、加速度を変更したから10両では走れなくなったと仰っていたのですが、これが起動加速度の変更を意味しているのか、運転曲線の見直しのことを指しているのかはよく分かりません。
いずれにしても、10両を組んで走ることはできなくなっているのでしょう。

おわりに

晩年は6両単独で走るようになった8251Fと8255Fでしたが、ついに8255Fが引退し、残るは8251Fのみとなっています。
小田急で最後の界磁チョッパ制御車となった8251F、その活躍を最後まで見守っていきたいと思います。