4両の車両が行ったり来たり、小田急小田原線の末端区間のようにも見える、箱根登山線の小田原から箱根湯本までの区間。
昔は箱根登山鉄道の車両も走っていましたが、現在は小田急1000形やロマンスカーのみが営業運転を行っています。

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この区間で使われている1000形は外装が変更されており、赤い1000形として親しまれています。
1000形の一部で廃車が発生している中、赤い1000形は全ての編成が未更新となっていることから、今後の動向が気になる状況となってきました。
今回は今後赤い1000形がどうなるのかを考えてみたいと思います。

赤い1000形のこれまで

箱根登山線の小田原から箱根湯本までの区間は、2008年3月15日のダイヤ改正以降、ロマンスカーを除いて全て4両の列車のみとなりました。

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5000形や8000形等、当初は様々な形式が走っていましたが、2009年3月14日のダイヤ改正に合わせて1000形の外装を変更し、一部の編成をこの区間専用にすることとなりました。
変更の対象となったのは、1059Fから1061Fまでの3編成で、箱根登山鉄道の1000形や2000系に準じた外装とされています。
ステンレス無塗装の車体に青い帯というシンプルな外装から、派手な赤を基調としたデザインとなったこれらの編成ですが、かなり似合っているようにも思います。

以前は新松田まで顔を出す運用も多くあり、赤い1000形以外の4両も使われていましたが、現在はほとんどが小田原と箱根湯本の間での折り返し運転となっています。
2012年3月には1058Fも追加で外装を変更し、現在は4編成が赤い1000形として活躍中です。

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2020年8月には、2019年の台風による被害で長期間運休していた箱根登山線の全線運行再開を記念し、1059Fが特別に都心部や支線を走行し、沿線に話題を提供しました。
ダイヤ乱れ等での走行実績は過去にもありますが、これだけ大々的に全線を走り回ったのは初めてのことです。

赤い1000形はこれからどうなるのか

全線での走行以降は、再び箱根登山線内をのんびりと走る日常に戻りましたが、全編成が未更新となっている赤い1000形は、これからもずっとこのままというわけにはいきません。
どのようになるかについては、いくつかのパターンが考えられそうです。

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まずはこれらの4編成を順次リニューアルするパターンです。
箱根登山線に適した仕様を盛り込むことも考えられるでしょう。
しかし、1000形の未更新車がそのまま廃車になり始めた現状を考慮すると、これらの編成が全てリニューアルされる可能性は低いかもしれません。

リニューアル済の編成と交代し、現在走っている編成は廃車とする可能性もあります。
4両でリニューアルが済んでいる編成が多数あることから、4編成を確保すること自体は可能です。
問題は、そうすると10両を組むための4両が不足してしまうことで、追加で一部の編成をリニューアルする必要がありそうです。
リニューアルをしたばかりの車両を区間運転用とするのにも違和感があり、これもあまり現実的ではないのかもしれません。

もう一つの可能性として、8000形と交代して廃車とするパターンも考えられます。
8000形は末尾の番号が揃った編成同士で10両を組んでいますが、8051F、8055F、8064Fは相方となる8000形の6両がないため、3000形と編成を組んで走っています。
これらの余っている3編成を転用し、足りない分は他の8000形や1000形の編成で補えば、古い車両の余生としては良いのかもしれません。

その他にも、専用編成をやめてしまう可能性や、3000形の一部の編成を4両化する等も考えられます。
様々なパターンが考えられることから、今後の車両の動きを注視していきたいと思います。

おわりに

赤い1000形が走るようになって10年以上が経過し、1000形も小田急の中では古い車両となりました。
5年後や10年後も現状のままということはないでしょうから、楽しむのであれば今のうちかもしれませんね。