小田急では、先頭車同士で連結をする必要がある車両に電気連結器を装備しています。
現在は原則として4両の小田原方、6両の新宿方に装備しており、1000形の4両だけが新宿方にも装備しています。

以前は6両の小田原方にも装備されていましたが、現在は全車両が撤去されています。
今回は、この電気連結器がいつ頃撤去されたのか、昔撮った写真を参考にしながら振り返ってみたいと思います。

更新時の撤去や新造時からなかった車両

小田急の10両には、4両と6両を連結した編成があります。
現在は10両固定編成が増えましたが、昔はほとんどが2編成を繋いでおり、小田原方に6両、新宿方に4両というのが定番のパターンでした。

現在は見ることができませんが、昔は小田原方に4両、新宿方に6両というパターンもあり、これは逆10両と呼ばれていました。
そのため、昔は6両の小田原方にも電気連結器があり、4両、6両の全先頭車が装備している時期がありました。

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逆10両が消滅した後も電気連結器はそのままで、使われない装備が6両の小田原方の先頭車にはあったことになります。
4両は8両を組むことがあるため、両側の先頭車に電気連結器が必要な状態が今も続いています。

そのままとなっていた小田原方の電気連結器は、8000形がリニューアルを行った際に撤去されるようになりました。
8251Fが2003年にリニューアルを終えて竣功していますから、この頃からということになります。

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新造時に電気連結器を省略した車両は、3000形が最初となっています。
小田原方には登場時から電気連結器がなく、連結器自体もかなり簡易的なものとなりました。

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これらの2形式が、小田原方に電気連結器を装備しない先駆けとなっています。

その他の車両の電気連結器はいつ頃撤去されたのか

不要なのに残っていた小田原方の電気連結器は、2005年から撤去が開始されました。
昔撮った写真を確認してみましたが、年末が近付いた頃に撤去された車両が見られるようになっています。
2600形、4000形、9000形の各形式は、廃車まで電気連結器が残されていたため、6両で撤去された車両はありません。

電気連結器の撤去が始まった頃は、比較的のんびりとしたペースだったようで、少しずつない車両が増えていたようです。
この頃は、二段式の電気連結器への変更や、それに伴うスカートの改造が行われており、電気連結器の撤去があまり進まなかったのかもしれません。

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撤去が行われた形式は、5000形、8000形の未更新車、1000形の3形式です。
1000形の撤去が早めに行われていたようで、早期になくなっている編成が多く見られます。

小田原方に電気連結器が残っている車両は、2007年の夏頃までは多く見ることができましたが、この頃から撤去のペースが上がったのか、急速に見ることができなくなっていきます。
2007年が終わる頃にはほぼなかったようで、2008年に私が撮った写真では、電気連結器が残っている車両は見つけられませんでした。

おわりに

短期間で急速に撤去されたような印象があったのですが、実際にはペースを上げたタイミングがあるというのが真相のようです。
6両の小田原方から電気連結器を撤去するのには、約2年ほどかかっていたようですね。