従来車を大量に置き換えるため、2001年に登場した小田急3000形。
ブレーキ読み替え装置を搭載することで、電気指令式ブレーキを採用しつつ、従来の電磁直通ブレーキの車両と連結することを可能としました。

他形式と連結する機会があるのは6両の編成で、合計で32編成が製造され、5編成が10両化された現在は27編成が活躍しています。
6両の3000形は、登場した頃と現在で使われ方がかなり変わっており、今回はその変化を振り返ってみたいと思います。

2600形や4000形の置き換え用として登場した3000形

3000形の第1編成が登場した2001年当時は、2600形の8両固定編成が2000形によって置き換えられ、6両だけが残っている状況でした。
同時期に製造された4000形も全編成が残っており、これらの車両を置き換えていく必要があったのです。

両形式には6両が多く、2600形で12編成、4000形で10編成が在籍していました。
これらは3000形の6両で直接置き換えが行われ、新しい編成が運用を開始した後、2600形や4000形が運用を離脱していきます。
3000形は両形式が充当されていた列車を中心に活躍することとなったため、支線の各停や一部の優等列車が活躍の中心となりました。

その後もペースを上げて3000形の製造は進められ、9000形や5000形の6両も置き換えると、優等列車で見る機会が増えていきました。
ブレーキ読み替え装置を活かし、分割併合が発生する列車でも日常的に見ることができました。

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全32編成となった3000形の6両は、各停から優等列車まで使える万能車両であり、様々な列車で見ることができました。

単独運用を中心とした活躍への変化

2007年からは4000形の製造に移行し、3000形の編成単位での製造は終了しました。
4000形が登場してからしばらくすると、3000形の使われ方にも変化が見られるようになります。

東京メトロ千代田線への乗り入れが4000形に交代したことで、1000形の4両や6両が地上専用車となっていきました。
そして、2008年のダイヤ改正では通勤型車両による分割併合の多くが廃止され、10両の列車はペアをほとんど変えずに運用することが可能となりました。

分割併合がほとんどなくなったことで、今までのように無理をして異形式を連結する必要がなくなったことから、4両と6両が連結した10両は、極力同形式で揃えていく方針へと変わっていきます。
5000形同士、8000形同士、1000形同士と、性能が揃った10両が増えていきました。

3000形には4両がないため、結果的にこの頃から単独運用が中心となりました。
6両の編成数が過剰となりつつあったこともあり、2010年度以降で5編成が10両化され、その後の6両は全27編成となっています。

8000形や1000形のリニューアル進展に伴う変化

同形式の4両がいなかった3000形の6両ですが、8000形や1000形のリニューアルが進んだことで、性能が合う車両同士で10両が組めるようになっていきました。
3251Fから3262Fまでの編成は8000形、3263Fから3277Fまでの編成は1000形と組めるようになります。

しかしながら、8000形は極力同形式で組む方針であり、1000形の4両もそこまで多くないことから、10両を組む3000形は少数となっています。
1000形の4両のリニューアルが進んだことで、最近は以前より10両を組む編成が増えたものの、現在も6両単独での活躍が中心で、支線での各駅停車で見る機会が多くなりました。

おわりに

1000形の4両が今後追加でリニューアルされず、箱根登山線に8000形や1000形の更新車が転用された場合、3000形の単独運用がまた増えるかもしれません。
今後新たに4両が製造されることはないでしょうから、6両の編成が多い3000形は、必然的に単独運用が中心の晩年を迎えることになりそうですね。