連接車で11両のロマンスカーとしては、最後の形式となった小田急のHiSE。
それ以前のロマンスカーとは塗装のデザインが大きく変わり、洗練されたイメージとなりました。

登場から引退まで、デザインはあまり変わっていませんが、変更となった部分もありました。
今回は、登場後にHiSEで最もデザインが変わった部分を取り上げたいと思います。

直線的なデザインが強くなったロマンスカー

1980年に登場したLSEから、ロマンスカーは直線的なデザインが強くなりました。
それまでのロマンスカーが丸みのあるデザインだったのに対し、シャープな印象を受けます。

HiSEではこの傾向がさらに強くなり、前面展望席窓の傾斜も鋭くなっています。
このようなデザインの傾向は他社でも見られ、近鉄21000系等が該当します。

SEから続いていた塗装もHiSEでは大きく変更され、パールホワイトを基調として、ワインレッド系の2色を配したものとなり、シンプルで直線的なものとなっています。
直線的な車体形状と合わさり、スピード感が強調されたデザインです。

喫茶コーナーの部分に入れられた白いストライプ

HiSEには編成中に喫茶コーナーが二箇所ありました。
3号車と9号車にあったこの部分には窓がなく、側面には白いストライプが入れられ、スピード感をさらに強めていました。

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少し分かりにくいですが、この写真のように白いラインが5本あり、HiSEの特徴ともなっていました。
登場から引退まで、HiSEの基本的なデザインは変わりませんでしたが、唯一変更となったのがこの白いストライプで、1996年度に百合のマークへと変更されています。

こうして直線的なデザインが主体だったHiSEは、少し柔らかいデザインへと変わりました。
個人的には、登場時のデザインの印象が強く残っています。

おわりに

登場時のデザインは、1980年代後半特有のスピード感がありましたが、百合のマークへと変更されてからだいぶ印象が変わったように思います。
引退前に復刻してくれたら面白かったのですが、そのようなことはなく静かに引退してしまいましたね。