小田急で最大の勢力を誇り、全346両が在籍する3000形。
増備の過程で多くの仕様変更があり、バリエーションが豊富な形式です。

近年はLED表示器の交換が始まり、さらにバリエーションが増えることとなりましたが、最近は交換が進まなくなりました。
LED表示器の交換が止まったのは何を意味しているのか、今回はその理由を考えてみたいと思います。

初期車で始まったLED表示器の交換

2001年に登場した3000形は、2000形に続いてLED表示器が採用されました。
当時の主流である3色のタイプを採用しましたが、増備の途中からフルカラーに変更されています。

その後、2018年からLED表示器の交換が始まり、初期車でフルカラーになった編成が登場しています。
元々フルカラーだった編成とは仕様が異なるようで、かなりシャッター速度を落とさなければ、写真で綺麗に写すことはできません。

20201128_02

LED表示器の交換は、現在までに以下の編成に対して行われています。

・3251F
・3252F
・3253F
・3254F
・3255F
・3256F
・3257F

1次車の全編成と2次車の一部が交換されており、2019年3月に3253Fが交換されて以降は止まっています。
2次車は前期車と後期車に分かれますが、前期車に該当する3258Fだけが交換されずに残されています。

LED表示器の交換が止まった理由

7編成のLED表示器が交換されて以降、他の編成での交換は行われずに止まっています。
最後の交換が2019年3月となっているため、2019年度以降の交換が行われていないと解釈できます。
中途半端な編成数で止まっているため、何らかの事情がありそうです。

交換が止まったことから、考えられる可能性はいくつかあります。

まずはリニューアルの時期が早まった可能性です。
1000形の一部に廃車が発生し、今後の計画に変更が生じた可能性は高いといえるでしょう。
リニューアルの際に交換する予定となっていれば、今は急いで行う必要がなくなるため、止まった理由としては違和感がありません。

続いては、予備の部品を確保できる最低限の編成だけ交換した可能性です。
取り外した古いLED表示器は、交換用の部品として保管されていると考えられますから、ある程度の編成を交換して一旦終了の予定だったのかもしれません。
しかし、この場合には7編成という中途半端な数になっているのが気になるところです。

もう一つは廃車の予定時期が早まった可能性です。
1000形の一部が未更新のまま廃車となったことから、リニューアルの方針が大きく変わった可能性があります。
リニューアルをせずに廃車する方針に3000形も変わったとしたら、交換を途中でやめる可能性はあるでしょう。
製造からまだ20年程度で、すぐに廃車とはならないでしょうが、使用を予定している期間が短くなったとしたら、現状のままとする判断になっていてもおかしくはありません。

おわりに

過去にもこういった交換が中途半端に終わった事例は沢山あり、小田急の気まぐれは相変わらずです。
LED表示器の交換が再開されることはあるのか、気になるところですね。