2018年に営業運転を開始し、2編成が箱根への観光輸送を主体として活躍する小田急のGSE。
最新型のロマンスカーとして、ローズバーミリオンの鮮やかな塗装で沿線を彩っています。

GSEには前面展望席が設けられており、VSEと合わせると4編成の前面展望席を備えたロマンスカーが走っている状況ですが、今後増える可能性はあるのでしょうか。
今回はGSEが増備される可能性について考えてみたいと思います。

GSEの車両としての特徴

前面展望席を備え、クラシックなロマンスカーとして人気となっていたLSEを置き換えるため、観光輸送で使用することを前提としている車両です。
しかし、同様に観光輸送を主体にしているVSEとは異なり、7両のボギー車という一般的な仕様となっていることが特徴で、ボギー車で前面展望席を設けたロマンスカーは初めてです。

このような仕様になった背景としては、ホームウェイ等の日常利用の輸送も担うことや、将来的なホームドアへの対応が念頭にあると考えられ、ロマンスカーとして大切にしたい要素を盛り込みつつ、現実的な仕様にまとめられた車両といえます。
編成定員もVSEの358名に対してGSEは400名となっており、輸送効率も大きく向上しました。

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EXEやMSEのように途中駅での分割併合を行わずに、新宿から箱根湯本までを最大限の輸送力で運転できる車両となっています。
全体的にバランス良くまとめられたロマンスカーとなっており、観光輸送から通勤輸送まで、幅広く活躍中です。

GSEが追加で増備される可能性

現在は2編成が活躍するGSEは、2編成が残っていたLSEを置き換えるために登場しました。
ロマンスカーの編成数は現在最適化されているため、運用の増減がない限りは現状維持で良いと考えられます。

総編成数を増やす必要性がないとなると、増備される可能性は従来車で置き換える必要がある車両があるかどうかということになります。
最古参のロマンスカーは1996年に登場したEXEですが、リニューアルによって多くの編成がEXEαになっており、未更新で残るのは2編成のみとなっています。
これらの2編成をリニューアルせず、GSEに置き換える可能性がないとはいえませんが、可能性としてはかなり低いでしょう。

次に古いロマンスカーはVSEで、ホームドアとの関係で早期の廃車説も根強くありますが、製造からまだ15年程度しか経っていないことを考えると、現時点での置き換えは考えにくそうです。
VSEは短命なロマンスカーになってしまうと思われますが、置き換えがもう少し先であると考えた場合、その際は新しい形式の車両が登場する可能性が高いように思われます。

GSEの3編成目以降は登場せず、VSEと同様に2編成で終わってしまう可能性が高そうです。
追加で増備される可能性があるとすれば、分割併合が必要な車両を削減したい場合であり、その場合はEXEとの置き換えが行われるかもしれません。

おわりに

近年は前面展望席を設けた車両が少なくなってしまったロマンスカー。
4編成が現状の最適解になっているものと思われますが、そのバランスを変更しようと考えた場合のみ、GSEが追加で増備される可能性がありそうですね。