8両編成が9本、合計72両が在籍する小田急2000形。
現在の小田急では最も在籍数が少ない通勤型車両で、主に各駅停車用として使われてきました。

各駅停車の10両化が進められた今、その立ち位置は中途半端なものとなりつつあり、この先が心配される形式となっています。
そのような状況の中で聞こえてくるのが、組み替えが行われるのではないかという見方です。
今回は、2000形の組み替えが行われる可能性や、仮に行われる場合にどういったものが考えられるのかをまとめたいと思います。

2000形に組み替えが行われる可能性

今回は結論から書いてしまいますが、私は2000形が組み替えられる可能性はとても低いと考えています。
その理由として、在籍する両数が少ないために、組み替えによって編成のバリエーションが増えることのデメリットがとても大きいためです。

1000形のリニューアルでは、先頭車を中間車化してまで10両化して、編成を4両と10両にまとめる動きが当初は見られました。
結果として、その計画は頓挫した可能性が高いですが、効率化が求められる現代において、編成のバリエーションが多いことは確実にマイナスとなります。

8両編成に統一されていた2000形を組み替えると、どうしても2種類以上の編成バリエーションが生まれてしまい、保守性の面では歓迎されません。
少し考え方を変えれば、中間車を増備して全編成を10両化するのが最も良い方法となりますが、製造から25年以上が経過した車両もあるため、現実的には考えにくいでしょう。

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製造時期という観点では、一部を残して廃車となった1000形の1081Fが1993年、2000形がその2年後の登場ですから、保守性を犠牲にしてまで延命する可能性は低いと思われます。
さらに、2000形は側扉の幅が1.6mとなっているワイドドア車でもあり、ホームドアには対応できているとはいえ、積極的に残す理由はあまりなさそうです。

組み替えられる場合に考えられるパターン

2000形が組み替えられる可能性は低そうですが、仮に行うとした場合、最小限の改造で済むのは4両と10両にするパターンでしょう。
3編成から中間車を4両抜き、それを残りの6編成に2両ずつ組み込めば、4両を3本、10両を6本に整理することができます。

しかし、2000形の電動車は2両で1ユニットとなっているため、改造を最小限にするのであれば、10両編成は6M4Tとなり、4両編成は制御車と付随車の寄せ集めとなるため、中間車の電動車化が必要になるといえます。
足回りの更新とセットで実施すればこのような制約は少し減りますが、組み替えのハードルはさらに上がってしまいます。

技術的な詳しいことは分かりませんし、これよりも良い方法があるかもしれませんが、素人が考えただけでも、2000形の組み替えは簡単ではなさそうなのが分かります。
そこで、組み替えとは少し違いますが、もう少しハードルが下がる方法として考えられるのが、一部の中間車を廃車にする編成の短縮です。

編成の短縮では、4両や6両にすることが可能だと考えられます。
4両は現状あまり需要がなく、1000形の更新車を長く使うほうが効率的と考えられるため、可能性はほぼないでしょう。
可能性があるとすれば6両への短縮で、江ノ島線や多摩線用としての活用はできそうです。
しかし、6両もそこまで足りていないわけではないため、あえてそれをする必要性はあまりないといえます。

おわりに

趣味的には組み替えを想像するのは楽しいものですが、現在の小田急では2000形を組み替えてまで残す理由はなさそうです。
8両のままリニューアルが行われるか、ある程度まで使って廃車とするか、選択肢はこのどちらかになりそうですね。