同じように見えて、少しずつ違いがある小田急3000形。
その3000形の製造区分ごとの仕様差をまとめる特集です。

今回は5次車をご紹介しますが、4次車と変わらないように見えて、少しだけ仕様変更が行われています。

5次車の概要

2004年度の終わりから2005年度の初めにかけて製造されたグループで、6両が4編成、8両が2編成となっています。
4次車とは異なり、再び6両のほうが多く製造されており、9000形の置き換えを進めいくこととなりました。
増備のペースはさらに加速し、JR東日本の置き換えかと思うほど、あっという間に3000形が増加し、その裏で9000形が数を減らしていきました。

基本的な仕様は3次車以降と同様で、大きな変更点はありません。
4次車と比較して変更された部分としては、千鳥配置だった車内の液晶モニタが、全ての扉の上部への配置となっている点です。
液晶モニタの有用性を認め、積極的な採用へと方針が転換されました。

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その他には、6両のクハ3250の電気連結器が二段式に変更され、4次車で試運転の際に装備されて以降、初めての本格採用となりました。
5次車の仕様変更はこのように細かいものですが、その後の小田急の標準となったものであり、転換点になったグループといえます。

登場から現在までの変化

登場から現在まで、大きな改造は行われていません。
全編成規模で行われた変更としては、ブランドマークが掲出された程度ですが、3659Fについては10次車を組み込んで10両化され、現在は3087Fとなっています。

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使われ方については3次車以降の編成と同様で、6両は単独での運用を中心として、一部は1000形の更新車と連結して10両で使われています。
8両は主に新宿から本厚木の間を走行しており、他の8両の車両と同様に各駅停車を中心に使われています。

編成表

3269F:3269-3219-3319-3369-3419-3469
3270F:3270-3220-3320-3370-3420-3470
3271F:3271-3221-3321-3371-3421-3471
3272F:3272-3222-3322-3372-3422-3472
3658F:3658-3608-3708-3758-3858-3808-3908-3958
3659F:3659-3609-3709-3759-3859-3809-3909-3959(3087Fとなって現在は消滅)
※左側が新宿方

おわりに

仕様変更は細かいものの、その後の小田急の基礎となった部分が多い5次車。
液晶モニタが倍増したのを知った際には、随分と思い切ったものだと感心しました。