小田急で最後の直流電動機を搭載する車両となっていた8000形の8251Fが、休車から復帰することなく、残念ながら廃車となったようです。
2019年から始まった5000形の導入により、小田急では少しずつ車両の置き換えが進み、8251Fの廃車によって在籍する車両のVVVFインバーター制御化率は100%となりました。

少しだけ残り続けた直流電動機を搭載する車両

8000形をリニューアルの際にVVVFインバーター制御に改造し、10000形や20000形を早期に廃車とした小田急は、比較的早い段階で直流電動機を搭載する車両が少なくなっていました。
2014年に8000形のリニューアルが全編成完了した時点で、7000形の2編成と、8000形の2編成だけが直流電動機を搭載する車両となり、VVVFインバーター制御化率の100%は目前まで迫りました。

しかし、そこからはしばらく置き換えが進まず、2018年に7000形が引退した段階で、ロマンスカーについてはVVVFインバーター制御化率が100%となりました。
8000形については、8251Fと8255Fがその後も走り続け、昔ながらの走行音を奏でていたのです。

動きがあったのは2020年で、ついに8255Fが廃車となり、界磁チョッパ制御のままで残る8000形は8251Fのみとなってしまいました。
その後ものんびりと余生を送っていた8251Fが、今回ついに廃車となってしまったのです。

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8251Fの廃車によって、小田急の車両はついにVVVFインバーター制御化率が100%となり、1987年の1000形の登場から約33年でこれを達成することとなりました。

関東の大手私鉄の状況

小田急がVVVFインバーター制御化率100%となりましたが、関東の他の私鉄はどのような状況なのでしょうか。
他に100%を達成しているのは東京メトロ、京王、相鉄で、小田急はこれに続くこととなります。

しかし、他の私鉄についても東武と西武に比較的まとまった数が在籍している以外は少なくなっており、東急、京急、京成もそう遠くない未来にはVVVFインバーター制御化率100%になると予想されます。

昔ながらの走行音は、関東の都心部でなかなか聞けないものとなってきました。
次に直流電動機を搭載する車両が消滅するのは、どこの鉄道会社になるのでしょうかね。

おわりに

8251Fの廃車によって、小田急では聞けなくなってしまった直流電動機の走行音。
2200形から始まった高性能車の時代は、静かに次のステージへと移ったことになるのでしょう。