通勤型車両の新形式となる5000形が登場し、少しずつ車両の置き換えが進んでいる小田急。
まだ新しく感じる1000形が廃車となったことは、小田急ファンに衝撃を与えました。

そこで、今回は小田急に在籍している各形式が、製造開始からどれぐらいの年数が経過しているのかを整理してみたいと思います。

各形式が製造開始から経過した年数

現在の小田急には、通勤型車両が6形式、特急型車両が4形式、事業用車両が1形式、合計で11形式が在籍しています。
1形式が製造される期間が長くなったため、形式数は以前より減少傾向となっています。

20210220_04

各形式の竣功が始まった年と、現時点で経過した年数は以下のとおりです。

【通勤型車両】
8000形:1982年(約38年)
1000形:1987年(約33年)
2000形:1995年(約26年)
3000形:2001年(約20年)
4000形:2007年(約14年)
5000形:2019年(約1年)

【特急型車両】
30000形:1996年(約25年)
50000形:2004年(約16年)
60000形:2007年(約13年)
70000形:2018年(約3年)

【事業用車両】
クヤ31形:2003年(約17年)

8000形と1000形が30年を超えており、鉄道車両の平均的な寿命が30年から40年程度であることを考慮すると、廃車になってもおかしくないことが理解できます。

製造開始から30年以下の形式は今後どうなるのか

2000形や30000形が30年に迫りつつありますが、製造開始から30年以下の形式はしばらく安泰なのかというと、そうでもありません。
近年には、5000形で製造から25年程度で廃車となった編成があり、何らかの事情があれば早めに廃車となることもあります。

1000形や30000形でリニューアルが済んでいる編成は、これからもしばらく活躍することが予想されますが、未更新の車両はそう安心できる状況ではないことが分かります。
2000形や3000形の1次車といったワイドドア車は、8000形や1000形の未更新車が廃車となった後に、続いて置き換えられる可能性があるのです。
しかも、5000形は更新が済んだ車両のケースですから、未更新のまま40年近く走ることは厳しいと考えられます。

1000形の次にリニューアルが行われる形式がどうなるのかによって、今後廃車となる車両はある程度予想できるでしょう。
数年先には、ある程度先が見通せる状況になっているかもしれませんね。

おわりに

リニューアルの長期化と、長い間通勤型車両の置き換えが行われなかったことによって、今後はハイペースで車両の置き換えが行われる可能性が高い小田急。
8000形や1000形の先行きが心配ですが、それ以外の形式も安心できるほど新しくはないようです。
しかし、新型コロナウイルスによる業績悪化の影響で設備投資が抑えられる可能性もあり、かなり予想がしにくい状況となってきました。