山を目指す小田原線に対して、海を目指すのが江ノ島線です。
多くの駅で10両編成が停車できるようになった小田急ですが、江ノ島線は6両までしかホームの長さがない駅が多く、各駅停車は6両での運転に限定されています。

全駅が10両の停車に対応すれば効率的ですが、そもそもそれは可能なのかを、今回は考えてみたいと思います。

江ノ島線の各駅で停車できる両数

江ノ島線の全駅が10両に対応できるのかを考える前に、各駅が何両まで停車できるのかを整理してみましょう。
駅ごとに一覧化すると、以下のとおりとなります。

相模大野:10両
東林間:6両
中央林間:10両
南林間:10両
鶴間:6両
大和:10両
桜ヶ丘:6両
高座渋谷:6両
長後:10両
湘南台:10両
六会日大前:6両
善行:6両
藤沢本町:6両
藤沢:10両(一部のホームのみ)
本鵠沼:6両
鵠沼海岸:6両
片瀬江ノ島:10両(一部のホームのみ)

10両の停車に対応しているのが8駅、6までしか停車できないのが9駅です。
藤沢や片瀬江ノ島は一部のホームだけしか10両の停車に対応していないため、多くの駅が6両までしか停車できないといえるかもしれません。

全駅のホームを10両の停車に対応させることは可能なのか

江ノ島線の全駅に10両が停車できるようになると、10両の各駅停車を走らせられるようになるため、運用の効率が良くなりそうです。
そこまでする意味があるのかは置いておくとして、各駅のホームを伸ばすことが可能なのかを考えてみましょう。

まずは一部のホームしか10両の停車に対応していない藤沢と片瀬江ノ島です。
この2駅が今のままだと、仮に他の駅が10両に対応したとしても、10両の本数を増やすことは難しいでしょう。

片瀬江ノ島は両渡り線の位置を変えれば対応することができそうですが、藤沢は今のままだと難しそうです。
かなり頑張れば対応できそうな感じではあるので、今後予定されている大規模な改良工事の際に対応させるかもしれません。

続いては6両までしか停車できない各駅です。
まず、比較的問題なくホームが伸ばせそうなのは、東林間、鶴間、桜ヶ丘、六会日大前、善行、藤沢本町です。
善行は勾配が少し気になりますが、多分大丈夫かと思います。

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問題となりそうなのは、高座渋谷、本鵠沼、鵠沼海岸の各駅です。
これらの駅はホームの前後に踏切があり、そのままではホームを伸ばすことが難しそうです。
高座渋谷は片瀬江ノ島方が小さな踏切なので、少し位置を動かせば対応できそうな気はします。

厄介なのが本鵠沼と鵠沼海岸で、どちらの駅も踏切を廃止しない限り、ホームを伸ばせそうもありません。
幸い小さな踏切ではあるので、通行できる手段を他に用意すれば、可能性がないとまではいえません。
しかし、本鵠沼は建物も線路に近いため、そもそも用地が確保できるのかが怪しいという問題もあります。

各駅の状況を整理すると、藤沢までの10両化は比較的実現性がありそうです。
厄介なのは藤沢の改良が困難という点で、ここがなんとかなれば何かが進み始める可能性があります。
藤沢から先は、本鵠沼と鵠沼海岸の問題があるため、現状維持とされるかもしれませんね。

おわりに

藤沢は遠くない未来に大規模な改良工事が行われる見込みで、その際にホームの長さがどうなるのかによって、江ノ島線の10両化は左右されそうです。
そもそも10両化する意味があるのかは微妙なところですが、運用の効率化という意味では可能性があるかもしれませんね。