新宿と本厚木の間を行ったり来たり、登場から現在まで各駅停車を中心として使われている小田急2000形。
1000形のデザインを踏襲しつつ、細部には色々な違いがある車両です。

リニューアルされた1000形が同じ状態となってしまいましたが、2000形ならではの特徴となっているのがスカートの塞ぎ板です。
今回は、このスカートについての少しディープな話題をお届けします。

電気連結器の省略によって設けられたスカートの塞ぎ板

小田急の車両には、分割併合を効率的に行うため、先頭車に電気連結器が設けられています。
かつてはほぼ全ての先頭車に設けられていましたが、逆10両の廃止、固定編成化の進展によって、ない車両が増えてきました。

小田急の固定編成化は1000形の後期車から本格化し、8両、10両の固定編成が登場しました。
2000形は小田急で初めて分割併合を行わないことを前提とした通勤型車両で、8両以上の固定編成とする設計になっています。

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小田急では、2000形よりも前に登場した8両や10両の固定編成にも電気連結器を設けていませんが、2000形ではスカートにも電気連結器がないことを前提とした変化があり、連結器周辺の開口部が狭くなるように形状が変更されています。
実際には連結器の下部が板で塞がれた状態となっており、よく見ると段差があることが分かります。

このスタイルが、遠目にも2000形だと識別できるポイントとなっていましたが、1000形のリニューアル車が同様の状態とされたため、最近は少し迷うようになりました。

スカートの塞ぎ板を外すとどうなっているのか

ここからは少しディープな話題です。
人は普段見えない部分を見たくなるものですが、スカートの塞ぎ板を外すと、どんな形になっているのでしょうか。

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2000形が取り外した状態の写真を持っていないため、この写真で代用します。
塞ぎ板を取り外すと、2000形も右に写っている1000形と同じ形状のスカートを履いています。
部品を共通化するために、1000形と同じスカートにしておき、開口部を塞ぐという対応になったのだと思われます。

この対応が役立ったことがあり、ブレーキ読み替え装置の試験を行う際、スカートの塞ぎ板を外して電気連結器を設置し、12両で試運転を行ったことがあります。
試運転の詳細については、以下の記事をご覧下さい。



試運転が行われている最中には、かなり短期間ながら塞ぎ板を外した状態で営業運転も行っており、電気連結器を装備した2000形を見ることができました。

おわりに

2000形がデビューした際、下部が塞がれた2000形のスカートに驚いたことを覚えています。
しかし、3000形の初期車では再び塞がれなくなり、その後結局塞がれるという展開となっており、小田急が優柔不断なのは相変わらずのようです。