鉄道工事を取り巻く環境の変化や、新型コロナウイルスの影響を踏まえて、終電の時刻が繰り上げられた小田急。
近年は繰り下げが続いていましたが、2021年のダイヤ改正は、その流れが変化する転換点となりました。

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今回は、小田急の終電の時刻が昔と比べてどう変わったのかを、1990年と比較してみたいと思います。

新宿から出発する小田原線の終電

小田急を利用する人にとって、新宿から帰れる終電というのは重要な存在です。
新宿から発車する終電を、小田原線の平日で見てみましょう。

【小田原まで】
1990年:23時35分(急行)
2019年:23時42分(快速急行)
2021年:23時22分(快速急行)

【本厚木まで】
1990年:23時35分(急行)
2019年:0時8分(急行)
2021年:23時46分(急行)

【相模大野まで】
1990年:0時20分(各停)
2019年:0時38分(急行)
2021年:0時15分(急行)

途中駅から種別が変わる列車もありますが、種別の変化も興味深いところです。
小田原までに関しては、1990年と比べてもあまり繰り下げられてはおらず、2021年のダイヤ改正でかなり繰り上げられていることが分かります。

最も変化が大きいのは本厚木までの終電で、1990年は小田原行きで帰るしかなかったようです。
相模大野までについては、1990年と2021年の差がそこまでありませんが、1990年は各停だったという大きな違いがありました。

新宿から出発する支線の終点まで行ける終電

続いては、新宿から各支線の終点まで行ける平日の列車を見てみましょう。
こちらは多摩線の変化が激しく、路線の利用者が増えたことを物語っています。

【片瀬江ノ島まで】
1990年:23時35分(急行)
2019年:23時42分(快速急行)
2021年:23時33分(急行)

【唐木田まで】
1990年:23時45分(急行)
2019年:0時38分(急行)
2021年:0時15分(急行)

江ノ島線にはあまり大きな変化がありませんが、1990年にはなかった大和行きが登場しているため、2019年は23時57分、2021年は23時46分発を使えば、大和までは帰ることができるようになっています。

変化が激しい多摩線は、1時間近く終電が繰り下がっていましたが、2021年にだいぶ繰り上げられました。
多摩線は段階的に終電が繰り下げられてきましたが、この流れが止められた印象です。

おわりに

比較してみて分かったことは、今回の繰り上げによって、1990年頃の水準に近付いたということです。
環境の変化というよりは、近年が無理をしすぎていたという表現のほうが適切なのかもしれません。
今後さらに繰り上げる動きとなるのか、そういった点も含めて気になるところですね。