未更新車の一部に廃車が発生し、少しずつ数を減らしている小田急1000形。
リニューアルされて残る編成と、未更新のまま廃車となっている編成があり、運命が分かれる結果となっています。

組み替え等の際、余剰になった編成が廃車となるケース以外は、形式ごとにまとめて置き換えられることが多い小田急において、1000形のケースはどれぐらい珍しいことなのでしょうか。

小田急では珍しい一部の編成だけの廃車

リニューアルが行われた編成は残り、未更新車の一部が廃車となっている1000形ですが、小田急ではかなり珍しいケースとなっています。
戦後の混乱期ぐらいまでは、一部の編成が荷物電車になって残ることや、一部だけが他社に譲渡されるといった事例がありましたが、近年は一つの形式をまとめて置き換えるのが基本となっていました。

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ワイドドア車を別形式と考えた場合でも、1000形は同一の形式内で運命が分かれる結果となっています。
リニューアルの有無で廃車の時期が変わること自体も珍しく、小田急の方針が変化しつつあることを示しているようにも思います。

編成のバリエーションが多すぎるという問題が1000形にはありますが、それでも今回のケースは小田急の歴史上で珍しいことです。

一部の編成だけが先に廃車となった事例

数は限られますが、過去にも1000形と似たようなケース自体は存在します。
代表的なのが、3000形(SE)の3001Fと3011Fが先に廃車となったケースで、廃車されなかった4編成にだけ車体修理が行われました。

ロマンスカーには似たようなケースが比較的あり、7000形と10000形も廃車の時期が編成によって異なっています。
しかし、これは更新の有無とは関係していないため、単純に廃車の時期が異なっていただけという見方もできます。

通勤型車両の場合は、1000形のようなケースはほとんどありません。
1600形のクハ1658だけが試験車として残ったこと、他には荷物電車として残る車両のケースがあった程度です。

同一形式で運命が分かれることは、やはり小田急では珍しく、1000形がとても特殊なケースであることが分かります。
しかし、これが小田急の方針転換だった場合、今後同様のケースが繰り返される可能性もあります。
1000形ほど編成のバリエーションが多い形式は他にないものの、3000形の1次車や30000形の未更新車のように、今後の動向が気になる編成があるのも事実です。

おわりに

一部の編成だけが廃車となっている1000形は、小田急の歴史上でもかなり珍しいケースでした。
これが今後も繰り返されるのか、個人的には気になるところです。