現在のところ小田急ロマンスカーで最後の連接車となっており、鉄道ファンからの人気も高い50000形。
従来の車両は11両を基本としていましたが、50000形は軽量化によって軸重の制限をクリアし、編成長を確保しつつ10両の連接車とすることを実現しました。

アルミニウム合金の車体によって軽量化された50000形の重量は、実際のところどれぐらい軽くなっているのでしょうか。

歴代の連接車の編成重量

1957年に登場した3000形を連接車とした小田急は、10000形まで連続して連接車を製造し続けました。
JR東海の御殿場線に乗り入れる20000形と、その後登場した30000形はボギー車となりましたが、50000形では連接車を復活させました。

編成長が短い3000形を除くと、それ以外の車両は20m車の7両分に相当する編成長となっており、最新のロマンスカーである70000形もそれに合わせられています。
20m車の7両分の編成長となっている形式の編成重量は、以下のとおりです。

3100形:222.56t
7000形:267.44t
10000形:274t
20000形:291.4t
50000形:260.2t
70000形:268.7t

後の改造によって、編成重量は変化している形式もありますが、このようになっています。
なかなか興味深い結果ですね。

意外と軽くはない50000形

6形式の重量を比較してみて分かったことは、50000形の編成重量はそれほど軽くないということです。
もちろん軽いといえば軽いのですが、10両で計画されていた3100形が、軸重の制限で11両とされたにもかかわらず、その3100形よりも重いのです。

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10000形や20000形が突出して重いというのはありますが、7000形と比較してもそこまで軽くはありません。
冷房装置を増設した後の3100形はもう少し重くなっていますが、それでも50000形よりは軽いでしょう。

私には専門的なことは分かりませんが、軽量化が10両の連接車を実現することにそこまで寄与したのかは、少々疑問を感じる結果となりました。
軽量化以外の要素も加わることで、10両の連接車は実現したのではないでしょうか。

興味深い点としては、50000形と同様にアルミニウム合金の車体を採用した70000形が、7000形とほとんど変わらない編成重量となっていることです。
いずれにしても、3000形や3100形で軽量であることを追求したロマンスカーは、徐々に重くなってきたことが分かりますね。

おわりに

軽量化されたといわれている50000形は、突出して軽いということはありませんでした。
どちらかというと、昔のロマンスカーは頑張って軽くしていたということが、比較して明らかになったように思います。