2016年度からリニューアルが開始され、車両の愛称もEXEからEXEαに変更されている小田急30000形。
現在までに5編成がEXEαとなっていますが、2021年度の設備投資計画には30000形のリニューアルに関する記載がなく、行われない可能性が高いと考えられます。

30000形のリニューアルが行われないことは、何を意味しているのでしょうか。

2016年度から開始された30000形のリニューアル

製造開始から20年以上が経過した2016年度より、30000形のリニューアルが開始されました。
リニューアルは外観の変更を伴う大規模なもので、車両メーカーの日本車輌製造で施工されています。

現在までにリニューアルが行われた編成は以下のとおりです。

2016年度:30051F・30251F
2017年度:30052F・30252F
2019年度:30054F・30254F
2020年度:30056F・30256F・30053F・30253F
※竣功日が不明なため2020年度は推測

現在までに4両と6両が5編成ずつ、合計50両にリニューアルが行われました。
未更新で残るのは、30055Fと30255F、30057Fと30257Fのペアとなっています。

リニューアルが済んだ車両が日本車輌製造から戻ると、すぐに次の編成が旅立つということが続いていましたが、現在のところそのような動きは見られません。
30000形の全編成が運用に入っている状態は、かなり久々ということになります。

30000形の未更新車は今後どうなるのか

2編成だけとなった30000形の未更新車ですが、2021年度にリニューアルが行われないということは、何を意味しているのでしょうか。

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まず考えられることは、単純な中断です。
リニューアル自体は行われ、竣功が来年度にずれ込むパターンもありえるでしょう。
新型コロナウイルスの影響で小田急の財布事情は厳しいでしょうから、そのままでも致命的な問題がない30000形のリニューアルを急ぐ必要はないともいえます。

リニューアルが中止となる可能性もあります。
そもそも1編成が離脱した状態で運用できていたことから、ロマンスカーの総編成数を減らすことは可能です。
30000形と60000形は4両と6両があることから、それぞれを別々に使用すれば意外と簡単に実現できます。
4両はお昼寝をしている時間が多いため、総編成数の削減を行う可能性は十分考えられます。

そして、もう一つの可能性が50000形との関係です。
2022年度以降にホームドアの設置が本格すると、50000形をどうするという問題がいよいよ避けられなくなってきます。
この問題に30000形の未更新車を活用し、運用数の調整によって50000形を廃車します。
30000形の未更新車でしばらく乗り切った後、新たなロマンスカーを登場させて未更新車を置き換えるのです。

ロマンスカーが4両の編成を中心に過剰気味なのは間違いないため、30000形のリニューアルは全編成に行われないのかもしれません。
ホームドアの問題もありますから、さらにややこしくなってきました。

おわりに

20両だけとなった30000形の未更新車は、これから先どうなってしまうのでしょうか。
あと少しというところで、今後の展開が気になる状況となってきました。