一部の編成が廃車となりながらも、大半の編成が現在も元気に活躍している小田急8000形。
リニューアルによって多くの編成がVVVFインバーター制御に改造され、それが長寿命化に寄与することとなりました。

界磁チョッパ制御とVVVFインバーター制御という違いしかないように思われる8000形ですが、実際にはリニューアルが行われた時期によって細かい違いがあります。
今回はそれらの違いをご紹介します。

リニューアルの時期によって異なる8000形の足回り

2002年度から8000形のリニューアルが開始されましたが、最初の2編成のみは界磁チョッパ制御のままとされました。
8251Fと8255Fがそれに該当し、最終的には少数派のグループとなります。

2003年度にリニューアルが行われた8254Fからは、VVVFインバーター制御への変更が行われるようになり、3000形の3次車以降と機器が共通化されました。
このグループは6両のみに見られ、2007年度までにリニューアルが行われた11編成が該当します。

20210515_01

2007年度の2編成目となる8264Fからは、制御装置はそのままながら、主電動機が4000形と同じものに変更され、新たなグループが誕生しました。
このグループが編成数としては最も多くなっており、4両が14編成、6両が3編成となっています。

そして、最後のグループとなったのが、2013年度にリニューアルが行われた8061Fからで、制御装置がハイブリッドSiCモジュールを使用したものに変更されています。
これは8059Fも同様となっており、4両の2編成のみが該当しますが、主電動機はそれ以前の編成と同様です。

足回りの組み合わせは4パターンが存在し、意外にバリエーションが多い形式となりました。

8000形の編成ごとの足回りの違い

リニューアルが行われた時期によって、足回りに違いがある8000形ですが、各編成ごとにまとめると以下のとおりとなります。
制御装置の型番をベースとして、括弧内は搭載している主電動機の型番です。

【4両】
8051F:MAP-198-15V115A(MB-5123-A)
8052F:MAP-198-15V115A(MB-5123-A)
8053F:MAP-198-15V115A(MB-5123-A)
8054F:MAP-198-15V115A(MB-5123-A)
8055F:MAP-198-15V115A(MB-5123-A)
8056F:MAP-198-15V115A(MB-5123-A)
8057F:MAP-198-15V115A(MB-5123-A)
8058F:MAP-198-15V115A(MB-5123-A)
8059F:MAP-198-15V260(MB-5123-A)
8060F:MAP-198-15V115A(MB-5123-A)
8061F:MAP-198-15V260(MB-5123-A)
8062F:MAP-198-15V115A(MB-5123-A)
8063F:MAP-198-15V115A(MB-5123-A)
8064F:MAP-198-15V115A(MB-5123-A)
8065F:MAP-198-15V115A(MB-5123-A)
8066F:MAP-198-15V115A(MB-5123-A)

【6両】
8251F:FCM-148-15MRH(MB-3282-AC)
8252F:MAP-198-15V115A(MB-5102-A)
8253F:MAP-198-15V115A(MB-5102-A)
8254F:MAP-198-15V115A(MB-5102-A)
8255F:FCM-148-15MRH(MB-3282-AC)
8256F:MAP-198-15V115A(MB-5102-A)
8257F:MAP-198-15V115A(MB-5102-A)
8258F:MAP-198-15V115A(MB-5102-A)
8259F:MAP-198-15V115A(MB-5102-A)
8260F:MAP-198-15V115A(MB-5102-A)
8261F:MAP-198-15V115A(MB-5102-A)
8262F:MAP-198-15V115A(MB-5102-A)
8263F:MAP-198-15V115A(MB-5123-A)
8264F:MAP-198-15V115A(MB-5123-A)
8265F:MAP-198-15V115A(MB-5123-A)
8266F:MAP-198-15V115A(MB-5102-A)

4両と6両を組み合わせた10両で使われることが多い8000形ですが、ペアを組む編成同士で足回りが違うパターンが多いということにもなりますね。

おわりに

界磁チョッパ制御車の廃車によって、現在は3パターンに減ってしまった8000形の足回り。
乗車する際には、このような違いも楽しんでみてはいかがでしょうか。