新宿から小田原まで、1927年4月1日に全線を一気に開業させた小田急小田原線。
開業時から現在とほぼ同じ距離を走っていたことになり、そのスケールの大きさは今日の発展へと繋がっています。

小田原線には、開業と同時に多くの駅が設置されましたが、後から設置された駅も存在します。
今回は小田原線の開業時から設置されていた駅をご紹介します。

一気に全線を開業した小田急小田原線

小田急にとって最初の路線となる小田原線は、1927年4月1日に全線を一気に開業しました。
部分開業をして路線を徐々に延伸していくのではなく、これだけの距離を一気に建設しており、まだ人口が少なかった時代とはいえ、その実行力には驚くばかりです。

1929年4月1日には江ノ島線も開業しており、この時点で大部分の路線網が完成していたことになります。
その後は多摩線が開業しているのみであり、現在の京王井の頭線が帝都線として存在していた時期があるものの、昭和の初期とほとんど路線網が変わっていない私鉄です。

20210529_04

小田原線の開業時には多くの駅が設置され、現在も向ヶ丘遊園に残っている、ギャンブレル屋根の駅舎のような、特徴的な駅もありました。
ギャンブレル屋根の駅舎は、町田、本厚木、秦野、新松田にもあり、小田急を象徴する駅舎でした。

開業時の小田原線に設置されていた駅

現在よりは当然少ないとはいえ、開業時から小田原線には多くの駅が設置されていました。
開業時に設置された駅は以下のとおりで、括弧内は当時の駅名です。

・新宿
・南新宿(千駄ヶ谷新田)
・山谷
・参宮橋
・代々木八幡
・代々木上原(代々幡上原)
・東北沢
・下北沢
・世田谷代田(世田ヶ谷中原)
・豪徳寺
・経堂
・千歳船橋
・祖師ヶ谷大蔵
・成城学園前
・喜多見
・和泉多摩川
・登戸(稲田多摩川)
・向ヶ丘遊園(稲田登戸)
・生田(東生田)
・読売ランド前(西生田)
・柿生
・鶴川
・町田(新原町田)
・相武台前(座間)
・海老名国分
・厚木(河原口)
・本厚木(相模厚木)
・愛甲石田
・伊勢原
・鶴巻温泉(鶴巻)
・東海大学前(大根)
・秦野(大秦野)
・渋沢
・新松田
・栢山
・富水
・足柄
・小田原

一覧にすると分かるとおり、開業の時点でほとんどの駅が開業している状況でした。
一方で廃止された駅もあり、山谷と海老名国分がそれに該当します。

駅名が変更されている駅もありますが、開業時からそのままの駅や、少しだけしか変わっていない駅もあります。
駅の規模は小さかったものの、現在とそこまで変わらない駅が開業時から存在しており、当時の電車に乗って比較してみたいものですね。

おわりに

全線を一気に開業しただけではなく、現在とそこまで大きくは変わらない駅数だった小田原線。
これだけのスケールで開業したことは、驚くべきことですね。