狛江市の中心部に位置し、2018年からは準急も停車するようになった小田急の狛江駅。
曲線部に駅があることが特徴で、撮影の名所ともなっています。

そんな狛江ですが、駅の開業は1927年5月27日で、小田原線の開業から約2ヶ月遅れています。
なぜ2ヶ月という短期間だけ遅れたのでしょうか。

狛江市の中心部にある狛江駅

喜多見と和泉多摩川に挟まれた狛江は、狛江市の中心部に位置しています。
狛江市は東京都内では最も面積が小さく、全国でも埼玉県蕨市の次に小さな市です。

小田原線の駅としては、狛江と和泉多摩川が狛江市内にありますが、喜多見もホームの一部が入っています。
地図を見ると分かるとおり、狛江市内には小田急以外に鉄道は通っておらず、この2駅だけが市内にある駅となっています。



この2駅の距離はとても近く、いかに狛江市が小さいのかが分かります。
複々線区間では比較的珍しい曲線部にある駅でもあり、他の駅とは雰囲気が異なります。

なぜ狛江駅は少し遅れて開業したのか

狛江駅が少しだけ遅れて開業した理由は、曲線部にあるという点にも関係してきます。
一般的に駅は直線部に設けられることが多いため、開業から間もない時期に曲線部に設置されているということが、遅れて開業した理由と繋がっています。

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狛江は、小田原線の開業時に設置予定がなかった駅でした。
喜多見の次は和泉多摩川の予定であり、これらの駅の間隔が都内とはいえやたらと近いのは、計画を変更して駅を設置した名残でもあります。

開業当時の狛江村には、和泉多摩川のみが設置される予定でしたが、村の中心部からは離れていました。
そこで、中心部に駅を設置する陳情書が村側から提出されますが、小田急はこれを拒否したため、村が資金を用意することで駅の設置が実現したという経緯です。

こうして、小田原線の開業から遅れること約2ヶ月、隣の駅との距離が近く、曲線部に位置した狛江が開業したのです。

おわりに

駅が連続している狛江市付近の区間。
都心部とはいえ、このようになっているのには歴史的な背景があったのです。