新型通勤車両の5000形が登場したことにより、急速に数を減らしている1000形の未更新車。
まだある程度の編成数は残っているものの、小田急らしい2編成を併結した8両や10両は見られなくなっていました。

そんな状況下において、1051Fと1251Fを併結した10両編成が運転され、小田急ファンを喜ばせました。

急遽組成された1000形の未更新車による10両編成

ホームドアの設置が進んだことで、電磁直通ブレーキでTASCを設置していない1000形の未更新車は、極力都心部に入線させないようになりました。
5000形の増備によって未更新車は減少を続けており、最近は8両や10両といった長編成を見る機会はなくなっています。

もう見られないと思われていた10両編成でしたが、6月9日に発生した人身事故によって8055Fと3255Fの編成が運用から離脱し、その代走として1051Fと1251Fの併結による10両編成が復活したようです。

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写真は6月11日に撮影したもので、最近はクヤ31形の牽引以外での走行機会がなかった1051Fが先頭に立ち、久し振りの営業運転となりました。
6月10日はE64、6月11日はE65の運用に入りましたが、入庫後に解放されてしまいました。

1051Fは6月12日にクヤ31形の牽引車として早速走行しており、久々に忙しい日々となっています。
2日間のみの走行ではありましたが、今までは当たり前だった姿を見ることができました。

1000形の未更新車による10両編成は今後も走るのか

今回の復活によって、一つ分かったことがあります。
それは、電磁直通ブレーキの車両でも、まだ営業運転で都心部に入れること自体は可能であるということです。
入線自体が禁止されていないということは、1051Fが残っている限り、また走る可能性自体は残っていることになります。

しかし、それは車両が足りなくなった場合に限られ、極力走らせないという基本方針があると考えられます。
見られたとしても、短期間であることは今回と変わらず、あまり素直には喜べないきっかけで組成されるものと思われます。

今年度も引き続き5000形の編成数は増加していくため、完全に見られなくなる日もそう遠くはないでしょう。
今回の復活が、1000形の未更新車による最後の10両となる可能性もありそうです。

おわりに

まさかの復活で、小田急ファンを驚かせた1000形の未更新車による10両編成。
再び見る機会があったとしても、晩年の貴重な姿となったことでしょう。