鉄道の運行には欠かすことができないアイテムの一つとして、列車無線があります。
小田急においても例外ではなく、車両の屋根上には逆L型アンテナが取り付けられています。

車両のアクセントにもなっているこのアンテナは、いつ頃から取り付けられていたのでしょうか。

小田急が列車無線の使用を開始した時期

現在は当たり前に使われている列車無線ですが、昔の車両にはない装備品でした。
小田急が列車無線の使用を開始したタイミングは2回あり、特急型車両と通勤型車両で分かれています。

最初に使用を開始したのは特急型車両でした。
使用開始日は1966年4月1日で、限られた範囲での使用開始だったのです。
昔からロマンスカーという存在は特別だったということですね。

次のタイミングは1974年4月16日で、通勤型を含めた全ての車両での使用を開始しました。
特急型車両での使用開始から、約8年後だったことになります。

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その後はあまり大きな変化がありませんでしたが、2017年5月14日に列車無線のデジタル化が行われて今日に至ります。

小田急の車両に列車無線アンテナが取り付けられた時期

屋根上にある特徴的な逆L型アンテナは、いつ頃から車両に取り付けられたのでしょうか。
列車無線の使用が全車両で開始された、1974年頃の写真を探して調べてみました。

まず、前年の1973年の段階ではあったりなかったりしていますが、当然年の終わり頃になると取り付けが済んだ車両ばかりとなっていきます。
面白いのは台座だけが先に設けられているパターンが散見され、後からアンテナを取り付けたケースがあることです。
これがどの程度の割合だったのか、そもそも全車両だったりしたのかは、当時を生きた方でないと分からないでしょう。

1972年の写真を見ると、取り付けられている車両自体が見つかりません。
僅かな両数だけに取り付けられていたのか、1973年になってから取り付けを開始したかのどちらかということになります。

調べた結果は、1973年にアンテナの取り付けが一気に行われた可能性が高くなりました。
取り付けは1700形以降の形式全てに対して行われていますが、使用を開始してから短期間で廃車となったケースも多く、アンテナがある姿が短期間しか見られなかった車両もあります。
また、中間に封じ込められている先頭車には、取り付けられていない車両も多く存在しました。

おわりに

屋根上のちょっとしたアクセントにもなっている列車無線のアンテナ。
車両は世代交代を続けていますが、アンテナの形状はほとんど変化しないのが面白いですね。