未更新のままで残っていた編成の廃車が進められ、在籍両数の減少が続いている小田急1000形。
多くのバリエーションでファンを楽しませてくれた車両は、一つの節目を迎えようとしているようです。
1000形のバリエーションを紹介してきた特集の最終回は、全編成が廃車になるとみられるワイドドア車を紹介します。
それまでの1000形とは異なる部分が多く、車両の番号は1500番台とされています。
4両と6両が登場しましたが、4両が6編成、6両が2編成となっており、4両の割合が高くなっています。
登場当初はワイドドア車のみで組んだ10両も運転されましたが、期待した効果が得られなかったためか、長くは続きませんでした。
座席数が減ったことに対する苦情も多かったようで、運用に苦労する車両となってしまいました。
そこで、ワイドドア車の特徴でもある大きな扉の改造が行われ、開口幅を1.6mに縮小することで、外見には大きな変化がないものの座席定員が増加しました。
改造後は扉の外側に取っ手が設けられており、引き残しの視覚的な違和感を軽減しています。
改造によって座席数が少ないという弱点を克服したワイドドア車でしたが、3000形の8両が増備されたことによって4両が過剰となったことや、高加減速が求められる各停を中心とした運用を嫌ったのか、4両については6両に組み替える改造が行われました。
先頭車を中間車化する大規模な改造で、ワイドドア車は最終的に6両が6編成に整理されています。
各編成ごとの製造区分は以下のとおりです。
【4両】
1551F:1次車
1552F:1次車
1553F:2次車
1554F:2次車
1555F:2次車
1556F:2次車
【6両】
1751F:1次車
1752F:1次車
それぞれの1次車は、1990年度に登場した最初の20両で、試験的な要素が多く盛り込まれた編成となっています。
一部の車両が座席を折りたたみできるようになっているほか、1551Fと1751FにはLED、1552Fと1752Fには液晶画面の案内表示が設けられました。
2次車は4両のみが4編成増備され、各所が現実的な仕様に改められました。
案内表示は液晶画面に統一されましたが、1次車とは異なるものが取り付けられていました。
登場時から6両だった1751Fと1752Fは、クヤ31形の牽引に対応している編成で、小田原方先頭車のスカートに特徴があります。
ノーマルドアの1051Fと同様のスカートになっていますが、ワイドドア車の場合は先頭に立つ機会が多く、日常的に見ることができました。
1753Fから1756Fには、先頭車から中間車に改造された車両が含まれています。
改造された部分は違和感がないように仕上げられていますが、側扉の幅は1.5mのままとなっており、他の中間車とは外見が異なっています。
ワイドドア車はホームドアに対応することができないため、5000形の増備に伴い廃車が進められています。
最終的には全編成が廃車になるとみられ、この特徴的な姿を見ることができる期間はあと少しのようです。
1000形の中で最も特徴的なグループでしたが、役目を終える日は確実に近付きつつあるようです。
多くのバリエーションでファンを楽しませてくれた車両は、一つの節目を迎えようとしているようです。
1000形のバリエーションを紹介してきた特集の最終回は、全編成が廃車になるとみられるワイドドア車を紹介します。
ワイドドア車の概要
1991年から1992年にかけて登場した車両で、ラッシュ時の遅延を防止するため、側扉の幅が2mに広げられました。それまでの1000形とは異なる部分が多く、車両の番号は1500番台とされています。
4両と6両が登場しましたが、4両が6編成、6両が2編成となっており、4両の割合が高くなっています。
登場当初はワイドドア車のみで組んだ10両も運転されましたが、期待した効果が得られなかったためか、長くは続きませんでした。
座席数が減ったことに対する苦情も多かったようで、運用に苦労する車両となってしまいました。
そこで、ワイドドア車の特徴でもある大きな扉の改造が行われ、開口幅を1.6mに縮小することで、外見には大きな変化がないものの座席定員が増加しました。
改造後は扉の外側に取っ手が設けられており、引き残しの視覚的な違和感を軽減しています。
改造によって座席数が少ないという弱点を克服したワイドドア車でしたが、3000形の8両が増備されたことによって4両が過剰となったことや、高加減速が求められる各停を中心とした運用を嫌ったのか、4両については6両に組み替える改造が行われました。
先頭車を中間車化する大規模な改造で、ワイドドア車は最終的に6両が6編成に整理されています。
各編成の製造区分
編成数はそこまで多くないものの、2次にわたって製造されています。各編成ごとの製造区分は以下のとおりです。
【4両】
1551F:1次車
1552F:1次車
1553F:2次車
1554F:2次車
1555F:2次車
1556F:2次車
【6両】
1751F:1次車
1752F:1次車
それぞれの1次車は、1990年度に登場した最初の20両で、試験的な要素が多く盛り込まれた編成となっています。
一部の車両が座席を折りたたみできるようになっているほか、1551Fと1751FにはLED、1552Fと1752Fには液晶画面の案内表示が設けられました。
2次車は4両のみが4編成増備され、各所が現実的な仕様に改められました。
案内表示は液晶画面に統一されましたが、1次車とは異なるものが取り付けられていました。
特徴のある編成
改造が繰り返されたことで、全ての編成に特徴がある状態となりました。登場時から6両だった1751Fと1752Fは、クヤ31形の牽引に対応している編成で、小田原方先頭車のスカートに特徴があります。
ノーマルドアの1051Fと同様のスカートになっていますが、ワイドドア車の場合は先頭に立つ機会が多く、日常的に見ることができました。
1753Fから1756Fには、先頭車から中間車に改造された車両が含まれています。
改造された部分は違和感がないように仕上げられていますが、側扉の幅は1.5mのままとなっており、他の中間車とは外見が異なっています。
ワイドドア車はホームドアに対応することができないため、5000形の増備に伴い廃車が進められています。
最終的には全編成が廃車になるとみられ、この特徴的な姿を見ることができる期間はあと少しのようです。
おわりに
ラッシュ時の切り札として登場した1000形のワイドドア車。1000形の中で最も特徴的なグループでしたが、役目を終える日は確実に近付きつつあるようです。
コメント
コメント一覧 (43)
そのP.85には、このように書かれてました。
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1500形はその後、二度の改造が行われた。最初は扉幅の縮小で、2000mmから1600mmへ改めた。後輩2000形登場後の平成9年(1997年)から始まり、着席定員も増やしている。二度目は、4連の6連化。ラッシュ時に新宿行きの各駅停車で走る場合は、急行や準急の間を走るため、待避駅まで逃げ切る性能が求められる。8連運用に入る1500形4連は、求められる加速性能に対応できなくなりつつあった。そこで4連すべての6連を6連4本に組み替える改造を行った。もともとワイドドアの6連が2本存在するため、改造車の付番は、続きの1753×6から始めている。
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この記事だけを読むと、朝ラッシュ時に各駅停車として運用した場合は、加速性能的に問題があったように思います。
ここで生じる疑問は2点です。
①各駅停車として運用しなければ良いのでは?
②持ち合わせていた加速性能は優等用のものだけだった?各駅停車用の加速性能は持ち合わせていなかった?
①については、1000形ワイドドア車を各駅停車で運用した小田急の意向がわからないので、何とも言えません。
各駅停車の新宿側が混雑していたから、かもしれないし、別の理由かもしれません。
②については、4連から6連に組み替えたところで、ワイドドア車の加速度は変わらないのです。
朝ラッシュ時に6連の各駅停車を新宿口に走らすことはなく、江ノ島線や多摩線、小田原線の相模大野以西で走らす分には加速度が多少遅くても問題ない、ということだったのかもしれません。
私が大きな可能性として考えられるのは、1000形ワイドドア車は優等用の加速度しか持ってない車両だった、というものですかね。
ワタシダ
がしました
4+4で相手方に負担がかかったとすると、4+6なら余計に負担がかかったと思います。それでも4+6両で運用されていた事を考えると、大きな問題は無かったのではないでしょうか。
ワタシダ
がしました
複数リソースが混合された思い込みだったんかなぁorz
ワタシダ
がしました
↓
置き換えられた1000形4連は6連と併結して10連で運行するようになる
となると、6連を増備しないと駄目そうですね。
そのためのワイドドア車の4連→6連改造だったのでしょうかね。
起動加速度の件については、当初1000形ワイドドア車は優等にしか入らない想定で設計されていたとすれば、説明がつきます。
ただ、果たしてそのような想定で設計するのか?という疑問は残ります。
昔の書籍の内容は私は存じ上げませんが、小田急内部の人間による公表でない限りは周りの憶測や推測に過ぎないのかな、て思います。
ワタシダ
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タイミングが上手く合致していれば組み換えすることなく登山ほぼ専属運用車になっていたかも知れません。
それはそれで賛否両論大きそうですが。
ワタシダ
がしました
で、実際に1000ワイドドア車の加速度が低い件についてRP誌の「特集・鉄道車両年鑑2005年版」に記述があるようなので一度読んでみたいですね。
もしかしたら、問題だったのは起動加速度というよりかは加速度の方かもしれません。
いずれにせよ、当時は3000形の8連増備で4+4を置き換えて4連を急行運用などに転用していた動きがあったので、
その一環として1000が6連に改造されたのは紛れもない事実だと思いますがいかがでしょうか。
ワタシダ
がしました
内装変更の改造でその辺おかしくなったとか?
いや、ちょっと言ってみただけです。
新宿地上にホームドアが入った後も新宿口の6両各停運用についていましたが
その運用は要加速度3.3だったのかはわかりません。
8251/8255も同様についていたはずですが、スペック上単独/同一形式で3.0は出せる模様。
ワタシダ
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加減速性能の確保が困難だった → 性能面では同じ?
高加減速を頻繁に行う各停運用には適さない……今はほぼ各停専用では?
迷路にはまってるのは俺だけなのか?
ワタシダ
がしました
やはりワイドドア車だと座席数が少なくて苦情になるから、多摩線、江ノ島線等に追いやることを目的にオール6連に改造したんじゃないのかなあ。
ワタシダ
がしました
ワタシダ
がしました
単純に1500/1700の方が起動加速度が低いので
遅い方に合わせてるって事だと思い込んでたのですが、
スペック上は起動加速度一緒という事でよくわから無くなってきた😥
ワタシダ
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私の前にシャナさんが重量について書かれていますね。そんなに重かったんですね。
ワタシダ
がしました
ワイドドア車ってそんなに重かったんですかね。構造が違うので同じ重量ではないとは思いますが。そのための6両化……重量もMT比も同じなら性能も変わらないのでは……?導入時に性能試験を行うのでは……? 素人の疑問です。すみません、聞き流して下さい。
ワタシダ
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ワイドドア車は時代にあわせて形を変えながら求められるものに応えてきた、そんな印象が特にあります。
淘汰されつつある今、最後にせめて1回は惜別乗車したいもんです…。
ワタシダ
がしました
混雑緩和対策の切り札として登場し、様々な改造を受けたワイドドア車も、ついに終焉の時が迫っとるのですね。私も先日所用で江ノ島線や小田原方面へ赴く際に記録のために撮影しとります。
1両でもええからロマンスカーミュージアムなり辻堂海浜公園なりどこかで保存できればええなぁ~と思うのは私だけでしょうか?(土地とか陸送の関係で厳しいかもしれませんね…(苦笑))
ワタシダ
がしました
ワイドドア車の話題であまり触れられていませんが空気圧によるパワーウインドウも装備されましたね。小田急では後にも先にもワイドドア車が唯一の装備となりました。
将来を見越した意欲的な試験装備が多かったとと思います。
パワーウインドウは油圧で動作する相鉄のよりも軽く、スムーズに動作していました。
ワタシダ
がしました
1つは今もある電光掲示板タイプのもの。
もう1つは液晶モニタータイプのもの。
液晶モニタータイプはよく表示不良とか起こしてたような気がします。
あと、車両連結部のドアの上にもあったような気がします。
どの編成にどのタイプのモニターがついてたのかは全くわかりません。
ワタシダ
がしました