現在は東京メトロ千代田線直通列車のみとなり、昔とは大きく役割が変化した小田急の準急。
急行を補完する列車から、近郊区間の利便性を向上する役割に変化しました。

変化といえば、現在は種別を示す色が緑色となっている準急ですが、昔は黄色が基本でした。
なぜ準急は黄色から緑色になったのか、今回はその理由を紹介します。

黄色のイメージが強かった準急

小田急の準急といえば、種別幕の色であった黄色をイメージされる方も多いのではないでしょうか。
黒地に黄色の文字で書かれた準急は、赤色の急行、青色の各停と比べて見られる頻度が少なく、近年になるほど希少種別となりつつありました。

20190819_04

黄色のイメージが強い種別幕ですが、これは黒地になってからのことであり、白地の種別幕は急行と同じ赤色の文字でした。
ランプ切り替え式の側面表示が黄色の文字となっているため、この頃から準急は黄色になりつつあったのでしょう。

準急の表示が黄色から緑色に変化したのは、快速急行や区間準急が登場する2004年のダイヤ改正のタイミングでした。
種別の数が増えることに加え、種別幕の地色自体がカラーとなり、準急は黄色ではなく緑色とされました。

20200530_05

それ以降準急は緑色というのが標準となっており、通勤準急も同様に緑色を使用しています。
緑色になってから15年以上が経過し、緑色の準急しか知らない世代も増えてきていることでしょう。

準急はなぜ黄色から緑色になったのか

2004年に黄色から緑色に変更された準急ですが、正確には変更という表現は適切ではありません。
実際には緑色に統一されたとするのが正しいといえますが、理由はいくつかあると思われます。

種別幕が緑色になる前から、車内の路線図や駅での掲示物には、準急を緑色で表示するケースがありました。
黄色だと目立たない、見にくいといったことが理由だと考えられますが、そもそも黄色に統一されていたことはないのです。
背景の色に合わせて、見やすいのはどちらかという視点で黄色と緑色が使い分けられていたようですが、種別幕に入っていた快速が緑色であり、なぜ種別幕が黄色となったのかはよく分かりません。

20191117_04

そして、種別の色が変更された理由には、3色しか表示できないLED表示器の存在もあったと考えられます。
種別幕の色が変更される以前は、各停が緑色、準急が黄色、急行が赤色とされており、本来は青色の各停に色が近い緑色を割り当てていたとはいえ、ちぐはぐな状態だったのです。
元々各停の場合には種別を表示していなかったため、準急に黄色を割り当てたことで発生したのだと思われますが、乗客の視点では少々分かりにくい状態であったといえます。

種別幕の準急が黄色から緑色に変更されるタイミングで、LED表示器の色も変更され、各停が黄色、準急が緑色とされました。
こうして旅客案内上の準急は緑色に統一され、分かりやすく整理されることとなりました。

おわりに

緑色に統一されたことで、旅客案内上も分かりやすくなった小田急の準急。
そもそも種別幕が黄色になった経緯がよく分かりませんが、緑色より視認性が良かったからといった程度のものなのかもしれませんね。