特別料金を払わずに乗れる種別としては、小田急で最速の列車となっている快速急行。
2004年のダイヤ改正で登場し、それまで運行していた湘南急行をさらに発展させた種別となっています。

登場時と比較すると、停車駅の増加等がみられますが、快速急行は昔より遅くなっているのでしょうか。

昔と今の快速急行の所要時間

通勤型車両を使用する種別としては最速となる快速急行は、2004年12月11日のダイヤ改正で登場しました。
小田原線の主要駅を通過し、湘南急行の停車駅と組み合わせた種別で、急行が遅いイメージが強かった小田急においては、かなりのスピードアップとなる種別だったのです。
湘南急行から発展した要素が強かったため、登場当初は江ノ島線を走る列車が多く、小田原線の相模大野から先には、1時間に1本程度しか走っていませんでした。

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昔の快速急行の所要時間は、新宿から藤沢を56分前後で走っており、上りのほうが2分から3分程度所要時間が短い列車がみられます。
この所要時間は日中のもので、時間帯や列車によって多少の誤差があります。

現在は停車駅に登戸が加わっており、所要時間は58分前後となっていますから、多少所要時間が増えているといえそうです。
上りと下りの所要時間の差はほぼなくなっていますが、これは新百合ヶ丘で急行との接続をするために、停車時間が長めになっている影響があるのでしょう。

なぜ所要時間の差が僅かなのか

停車駅が増加し、各駅での停車時間も長くなっている印象がある快速急行ですが、その割には所要時間が大きくは増大していません。
2分程度遅くなっているようですが、もっと影響があってもおかしくない気がします。

快速急行は、下北沢から新百合ヶ丘の間で急行と停車駅がかなり異なります。
急行と急行の間を走るようになっていますが、それぞれの駅で先行する急行に追いつくことから、現実的な問題として所要時間をあまり変えられないともいえます。

所要時間がそこまで変わらない背景には、複々線の完成と車両性能の向上が関係していると考えられます。
複々線は代々木上原付近での列車の詰まりを解消し、車両性能の向上によって加減速が良くなりました。

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言い方を変えれば、これ以上所要時間を短くすることが難しい面もあり、登戸に停車しても所要時間の面ではあまり影響がないのでしょう。
昔より優等列車の本数も増えているため、そこまで遅くなっていないのは、小田急も頑張っているといえそうですね。

おわりに

所要時間の差は僅かであるものの、昔の快速急行のほうが速かった印象があります。
それは車両の加速度が今よりも劣っていたことや、登戸を通過することによる心理的な影響が大きいのかもしれませんね。