現代では当たり前となっている、鉄道車両における前照灯の昼間点灯。
小田急も例外ではなく、日中の明るい時間帯も含めて、走行中は常に前照灯を点灯しています。

昔は明るい時間帯には前照灯の点灯をしていませんでしたが、小田急の車両がライトを日中も輝かせて走るようになったのは、いつ頃からだったのでしょうか。

日中は前照灯を点灯していなかった昔の小田急

鉄道車両の昔の写真を眺めていると、前照灯が点灯していないことに気付きます。
新幹線は点灯しているのが昔から当たり前でしたが、在来線においては点灯していないことが当たり前でした。

天候によっては昼間から点灯する場合がありましたが、あくまでもライトは消して走るというのが昔は基本だったのです。
日中は車内の電気も消されている場合があり、時代の変化を感じさせられます。

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今よりも電気を大切に使っていたというのもありそうですが、そもそも部品の寿命も短かったでしょうから、そういう面でも必要ない時間はきちんと消していたのでしょう。
昼間点灯は、視認性を高めることで事故防止に繋げることが目的ですが、当時はそこまでの対策が行われていませんでした。

小田急が前照灯の昼間点灯を開始した時期

前照灯の昼間点灯を小田急が開始した時期に関する、公式の情報は見つけられませんでした。
いつから開始したという情報があれば調査はすぐに終わりますが、そう簡単ではないようです。

記憶を辿ると、1990年代の前半には点灯しておらず、後半には点灯していたというのが浮かんできます。
そこで、この時期を重点的に調べてみることとしました。
調査方法は、その時期に撮影された写真をひたすら見ていくという地道なものです。

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調査をしてみて分かったことは、ある日を境にして急に昼間点灯をするようになったわけではなさそうということです。
1992年頃には点灯しているケースが多くなってくるのですが、1990年でも点灯している場合が少なからずあり、乗務員の裁量で点灯する場合があったのかもしれません。

1993年頃になると、基本的には点灯していることが多くなってくることから、そうではない写真は点灯をし忘れている可能性もあります。
トンネルや暗めの駅を通過する前後では、その付近だけ点灯していた場合もあるでしょうから、一瞬を切り取っている写真での判別は難しい面もあるのかもしれませんね。
しかし、1990年代の前半に昼間点灯が定着していったことだけは間違いなさそうです。

おわりに

昔は暗くならなければ点灯しないのが当たり前だった前照灯。
鉄道模型で古い車両のライトが点灯している姿を見ると、そもそも日中は点灯していなかったんだよなと考えてしまう私は、少し面倒な人なのかもしれません。