在籍する両数が72両と少なく、小田急の中では少数世帯となっている2000形。
少数派の形式としては細かいバリエーションが多く、過渡期には様々な形態が見られたこともあり、趣味的には面白い形式です。

今回は、そんな2000形の細かい変化について、登場段階における差異と、過渡期に見られた姿を振り返ってみたいと思います。

製造段階で編成ごとに生じた差異

製造両数が少ない2000形ですが、断続的に増備が続いたことで、編成ごとに細かい差異が生じました。
まずは製造区分ごとの違いをまとめてみましょう。

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まずは2000形の基本形態となる1次車です。
最初に登場した2051Fと2052Fがこの仕様となっており、通過表示灯があることが最大の特徴です。
通過表示灯があることで他の編成とは前面の印象が異なり、より1000形の未更新車に近く感じます。

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2次車として登場した2053Fからは通過表示灯が廃止され、前面の印象が変化しました。
その他には、車体の接続方法が変更されており、下部をよく見ると違いが分かります。

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2000形で最も大所帯なのが3次車の6編成で、2054Fから2059Fまでの編成が該当します。
外見は3次車と似ていますが、車外スピーカーの設置によって冷房装置のキセに変化があるほか、遮光ガラスの採用によって側面の印象が変化しました。

現在までに見られた2000形の様々な姿

登場後に行われた改良によって、2000形の形態には細かい変化が生じました。
過渡期には様々な姿が見られたものの、現在はほぼ統一されています。

その変化の代表例が、帯色の変更とLED表示器の交換です。
ロイヤルブルーからインペリアルブルーに色の変更が行われ、LED表示器はフルカラー化されました。

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それぞれの改良は別々に行われたため、このように帯色だけが変わり、LED表示器はそのままという姿も見られました。
逆の状態もあり、フルカラーのLED表示器を装備した状態で、ロイヤルブルーの帯という姿も見られます。

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最終的には現在見られるような姿に順次統一され、複雑なバリエーションは一見するとなくなったようにも思います。
しかし、製造時の差異はそのままの部分が多いため、現在もややこしい状態が残っているのです。

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そして、2059Fだけは現在も帯の色がロイヤルブルーのままとなっており、昔の面影を残しています。
その他にも、2051Fだけは遮光ガラスに交換されているといった違いがあり、2051F、2052F、2053F、2054Fから2058F、2059Fと分けられるような、5パターンぐらいの差異が現在も残っている状態で、2000形のややこしさは継続しています。
連結器の違い等も生じていますから、それらを含めるとさらにバリエーションは増えそうです。

おわりに

少数派の形式ながら、バリエーションが豊富な2000形。
製造段階での差異が多いですが、その後の変化でさらに細かい違いが生まれてしまう結果となりました。