一般的な鉄道車両の寿命は、30年から40年程度といわれています。
自動車等と比べればかなり長く使われており、現在も昭和の時代に製造された車両が現役で活躍していることも珍しくはありません。

小田急の車両もこのぐらいの期間は使われていますが、形式によって差があるようです。
製造されてから廃車となるまで、小田急の車両はどれぐらい使われているのでしょうか。

小田急の車両が製造されてから廃車となるまでの期間

何年ぐらい小田急の車両が使われるのかを確認するにあたって、何を基準にするかという問題がありました。
今回の記事では、最初の編成が製造されてから、初めて編成単位での廃車が生じるまでの期間で集計し、形式ごとに比較をしてみることとしました。
調査対象は高性能車とし、形式ごとにまとめると以下のとおりとなっています。

【通勤型車両】
2200形:28年
2300形:27年
2220形:27年
2320形:25年
2400形:26年
2600形:36年
4000形:37年
5000形:37年
9000形:33年
8000形:38年
1000形:33年

【特急型車両】
3000形:26年
3100形:33年
7000形:30年
10000形:18年
20000形:22年

結果はこのようなものになり、形式によって差があるものの、傾向があることも同時に分かります。
平均的には、30年から40年程度になるであろうことも、この結果からは見えてきます。

いくつかのパターンに分かれる活躍期間

期間を集計したことで、いくつかの傾向が分かりました。
これらの傾向を当てはめると、小田急の車両が今後廃車となる時期が見えてきそうです。

まずは通勤型車両ですが、中型車と大型車で大きく異なっています。
中型車は非冷房で収容力に問題があったことで、30年未満で廃車となってしまいました。
一方で、大型車は35年前後使われていることが分かり、まさに一般的な鉄道車両の寿命に合わせられているといえそうです。

20200530_01

興味深い点は、千代田線への乗り入れ車両である9000形と1000形が、どちらも少しだけ廃車が早いという点で、偶然のような気はするものの、特殊性が災いするということなのかもしれません。

特急型車両は、全体的に通勤型車両より廃車の時期が早めといえます。
長く使われる場合で30年前後、短命だと20年前後というのが基準といえそうです。
未更新の場合は、20年前後が危険な時期と考えられそうですね。

おわりに

簡易的な集計ですから、編成単位の年数を平均にすると多少違った結果になると思われます。
だいたいの傾向は変わらないと思われるため、小田急がある程度の基準に沿って車両の置き換えを進めていることが、この結果からは分かります。