小田原線から多摩線が分岐し、小田急の中では大規模な駅となっている新百合ヶ丘。
1974年に開業した比較的新しい駅ながら、既に2回の改良工事が行われており、設備の増強が図られています。

今回の記事では、過去の改良工事によって変化した、新百合ヶ丘の歴史を振り返ってみたいと思います。

1回目の改良工事による変化

多摩線の開業と合わせて、1974年6月1日に新百合ヶ丘駅は誕生しました。
開業当時は周辺に何もない駅で、大規模な設備だけが目立っていました。

新百合ヶ丘は最初から3面6線を備えており、基本的な構造は現在も変わっていません。
多摩線が中央のホームで折り返しているのも開業当時からですが、小田原線と多摩線の直通運転が増えたことで、近年は各線が発着するホームがやや複雑化しています。

開業時の新百合ヶ丘には、中央に2ヶ所の階段が設けられていました。
現在の位置としては、小田原方から2番目と3番目にある階段がそれにあたり、当然エスカレーターはありませんでした。
ホームの両端には上屋がなく、改札階のコンコースや南北を結ぶ自由通路も現在とは比較にならないぐらい狭いものでした。

新百合ヶ丘の最初の改良工事は、1990年代の前半に行われました。
駅全体のリニューアルと設備の増強が行われ、小田原方に階段とエスカレーターが増設され、コンコースもそれに合わせて拡大されています。
また、小田原線の上りホームのみ、新宿方の階段にエスカレーターが増設されたほか、南北を結ぶ自由通路の拡大や、小田原線のホームの上屋の増設等も行われました。

意外とすぐに行われた2回目の改良工事

改良工事によって、利用者の増加に対応したはずだった新百合ヶ丘ですが、2000年代の後半には早くも2回目の改良工事が行われています。
小田急らしいといえばそれまでですが、最初の改良工事での見通しが甘かったということでしょう。

2回目の改良工事は、新宿方の設備を増強することが主な内容でした。
具体的には、エスカレーターとエレベーターの設置、改札口の増設が行われています。
上屋が増設されていなかった多摩線のホームにも、このタイミングで設置が行われました。

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この改良によって、新百合ヶ丘は4ヶ所の階段やエスカレーター、加えてエレベーターも備える駅となったのです。
同時に南北を結ぶ自由通路もさらに拡大され、商業施設もオープンしました。

さすがにこれで終わると思われた改良工事ですが、現在3回目が計画されています。
短期間でここまでの回数を重ねるケースは、全国的にも珍しいのではないでしょうか。



3回目の改良工事は、どのぐらいの規模となるのでしょうか。
過去2回の改良工事は、複々線化が進められている中であまり予算が使えず、結果として中途半端な内容となってしまったように思います。
どれぐらいの変化が起きるのか、今後の動向からも目が離せませんね。

おわりに

改良工事によって、少しずつ姿を変えてきた小田急の新百合ヶ丘駅。
さらに行われる改良工事によって、今後どのように姿を変えていくのでしょうか。