新型コロナウイルスの感染拡大により、鉄道の利用者は大きく減少し、各事業者は大打撃を受けました。
減少の度合いは路線によって異なるものの、総じて減っているといえる状況でしょう。

小田急も例外ではなく、2020年度は全ての駅で1日の平均乗降人員が減少しました。
駅によって減り方が異なっているため、今回の記事では大きく減少した駅を見ていきたいと思います。

全ての駅で1日の平均乗降人員が減少した小田急

多くの業界に大打撃を与えることとなった新型コロナウイルスの感染拡大は、鉄道業界にも襲い掛かりました。
小田急の利用者も当然減少し、各駅の平均乗降人員にもその結果が反映されています。

2020年度は、全ての駅で前年度を下回る結果となっており、影響が大きかったことが分かります。
その一方で、駅によって減少率には違いがあり、各駅の特性によって明暗が分かれたといえそうです。

減少率が少ないのは足柄や黒川といった駅で、周辺に大規模な施設がない駅は影響が少なかったのでしょう。
しかし、足柄と黒川が20%以下だった以外は、全ての駅が20%以上の減少率となっており、影響がなかったということでもありません。

乗降人員が大きく減少した駅

大規模な施設がない駅ほど影響が少ないということは、逆の場合は影響が大きいということになります。
1日平均乗降人員が大きく減少した駅について、1位から10位までを見てみましょう。
括弧内は減少率となっています。

10位:生田(-35.9%)
9位:愛甲石田(-36.5%)
8位:六会日大前(-37.6%)
6位:向ヶ丘遊園(-38.5%)
6位:新宿(-38.5%)
5位:小田急多摩センター(-38.9%)
4位:参宮橋(-39.5%)
3位:玉川学園前(-42.3%)
2位:梅ヶ丘(-42.7%)
1位:東海大学前(-52.7%)

新宿が入ることは予想していましたが、個人的に思っていたのとは違う駅が多く並ぶ結果となりました。

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全ての駅ではないものの、上位の駅にはある共通点があります。
それは大学の最寄り駅であることです。

生田:専修大学・明治大学
愛甲石田:松蔭大学・東京農業大学
六会日大前:多摩大学・日本大学
向ヶ丘遊園:専修大学・明治大学
小田急多摩センター:桜美林大学・帝京大学
玉川学園前:昭和薬科大学・玉川大学
梅ヶ丘:国士舘大学
東海大学前:東海大学

どこまでを最寄りとするかの定義が難しく、全てを書き出すことはできないため、代表的な大学をピックアップしてみました。
新宿にも大学はありますが、そこまで大きな要因とは思えないので割愛しています。
多くの大学が休校やオンライン授業を行ったことで、このような結果となったのでしょう。

例外は4位の参宮橋です。
明治神宮の最寄り駅ですが、初詣の自粛が呼びかけられたことや、年末年始に感染状況が悪化したことが大きく影響したのでしょうか。

実際にはもう少し複合的な要因が絡んでいるのでしょうが、大学の最寄り駅は影響が大きかったと考えて間違いなさそうです。
学生の皆さまは、人生の貴重な期間を犠牲にしてしまっており、とても辛いことと思います。
少しでも早く状況が改善し、元の生活に戻れることを願っています。

おわりに

大学の最寄り駅で、大きな影響が生じていた小田急。
観光地への影響が大きいことは間違いありませんが、それ以上に大学の影響が大きかったのは意外でした。