新宿から箱根まで、グループ会社と連携することで観光客を輸送し、観光路線としての性格も持ち合わせている小田急。
山登りといえば箱根登山鉄道のイメージですが、小田急にも少しだけ標高が高い場所に駅が設けられています。

自然が豊富な区間に存在するその駅は、何駅なのでしょうか。

小田急で最も標高が高い場所にある駅

小田急で最も標高が高い場所にある駅は、神奈川県秦野市に存在します。
起点の新宿から40番目の渋沢駅で、標高は163mとなっています。
箱根登山線の塔ノ沢駅が標高153mですから、そのぐらいの高さということになります。

周辺にある駅の標高は、隣の新松田が69m、小田原が14mですから、それなりに高い位置にあることが分かります。
渋沢と新松田の駅間は6.2kmもありますが、84mの高低差が両駅間にはあるのです。

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駅自体は一般的な相対式ホームで、急行や快速急行も停車する駅となっていますが、ロマンスカー以外が各駅に停車する区間内にあるため、優等列車の停車駅とはいえないかもしれません。
ホームでは接近メロディーにZARDの曲が使われており、列車の到着前に聞くことができます。

登山客で賑わう渋沢駅

渋沢は1993年に橋上駅舎化され、その際に駅名を「丹沢高原」に改称しようとする案がありました。
丹沢山地の登山口に近く、休みの日には登山をすると思われる乗客が多く電車に乗っています。

昔は丹沢号という臨時列車も運転されており、夜遅くに新宿を出発して渋沢に着くことができました。
未明に登山へと出発する登山客向けの列車でしたが、晩年は酒に酔った客が帰宅に利用するような光景も目立ったようです。

そして、渋沢から新松田にかけては、小田急で最も駅間が長い区間となっており、自然が豊かな環境の中を走ります。
四十八瀬川に沿い、連続した急カーブを走るこの区間は、小田急線内で最も自然を満喫することができます。

このような場所にある渋沢ですが、駅周辺は宅地化されており、新宿への通勤圏にもなっています。
小田急は都心部から離れても混んでいるといわれますが、これだけ都心部から離れても宅地化が進んでいるとなれば、それは仕方がないことなのかもしれません。

おわりに

小田急で最も標高が高い場所にある渋沢ですが、駅の周辺には多くの住宅が建ち並んでいます。
山々に囲まれた地域となっていますが、それだけ駅周辺部の平地が貴重だったということなのでしょうね。