外見が似ており、4両と6両の編成が存在するという共通点もあった小田急の4000形と5000形。
4両は使われ方もほぼ同じで、6両の編成をサポートするような役割が目立ちました。

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9000形、8000形、1000形にも4両の編成は存在していましたが、4000形と5000形は8両で各駅停車に使われることは基本的にありませんでした。
なぜこのような扱いの差が生まれたのでしょうか。

8両での走行実績自体はある4000形と5000形

1988年に各駅停車の8両化が行われて以降、4両を2編成繋いだ8両が日常的に見られるようになりました。
その役目を主に担うこととなったのは、9000形、8000形、1000形の3形式でした。
現在は8両固定編成での運転が基本となっていますが、当時は4両と6両の編成しか存在しておらず、4両で8両を組むことは必然の成り行きでした。

近年のイメージでは、8両といえば各駅停車というのが定着していますが、8両での運転自体は1988年以前から行われており、急行で頻繁に見ることができた時期もあります。
急行は分割併合を行う必要があるため、異形式で併結している場合も多くあり、各駅停車での8両とは前提も異なっていました。

しかし、4000形や5000形が8両を組まなかったのかというと、全くなかったというわけではありません。
急行の8両が多く運転されていた時期には、5000形同士の組み合わせというのは当然あり、4000形も土曜急行での運転実績があります。
各駅停車での運転実績もあるようですが、定着することはありませんでした。

なぜ4000形や5000形は8両の各駅停車で使われなかったのか

他の形式は8両の各駅停車で使われたのに、4000形や5000形はほぼ使われることがありませんでした。
他社線に乗り入れるといった特別な事情がないのにもかかわらず、なぜ使い分けがされていたのでしょうか。

それは、この2形式の加速度が低かったことに起因しています。
4両は6両以上に加速度が低いという事情があり、頻繁に加減速を繰り返す近郊区間の各駅停車には向いていなかったのです。
一方で、4000形と5000形の6両は編成内に4両の電動車があり、4両よりは加速が良かったため、こちらは各駅停車に充当される機会も多く見られました。

8両の各駅停車に充当された形式を見てみると、9000形は4両全車が電動車、8000形と1000形は4000形や5000形と同様の2M2Tです。
9000形は説明不要ですが、8000形と1000形は何が違ったのでしょうか。

まず、1000形については4両と6両の性能が基本的に同等となっており、8両でも各駅停車に適した性能を発揮できるため、適任の形式でした。
8000形については、6両と比較した場合の性能差はありましたが、4000形や5000形ほどではなかったという点が、8両にも使われた理由といえます。
全く問題がなかったということではないため、最低限の運用数に絞られており、9000形や1000形よりも先に8両での運用がなくなりました。

おわりに

今以上に形式や編成によって性能差があった小田急の車両は、運用を分けることで長所と短所を補い合っていました。
基本的な性能がほぼ揃った現在の小田急を見ていると、そんな昔を懐かしく感じる時があります。