東京メトロの千代田線に乗り入れるための車両として、2007年に登場した小田急4000形。
2016年からはJR東日本の常磐緩行線にも乗り入れるようになり、直通運転の形態も変化しました。

過去に乗り入れを行った形式は、ある程度の年数が経過すると、後輩にその役目を譲って直通運用から撤退していますが、今後4000形はどうなるのでしょうか。

歴代の各形式が直通運転を行った期間

小田急から千代田線に乗り入れる役目は、現在までに3形式が担ってきました。
初代は鉄道ファンに人気が高かった9000形、そのバトンを受け取ったのが現在も小田急線内で活躍する1000形です。
現在は4000形が直通運転を行っており、16編成全てが乗り入れ用の機器を搭載しています。

20211009_03

地下鉄に乗り入れる車両は、ある程度の年数が経過すると直通運用から撤退し、後輩形式にその役割を託してきました。
歴代の各形式が、乗り入れ運用に使われた期間は以下のとおりです。

9000形:12年
1000形:21年
4000形:14年(現時点)

意外と9000形が直通運転を行った期間が短く、既に4000形がその期間を超えていることが分かります。
1000形の実績を考慮すると、そろそろ撤退の時期が近付きつつあるようにも思われますね。

4000形は歴代最長の乗り入れ期間となるのか

4000形が千代田線への直通運転を開始してから、既に15年近くが経過しました。
そろそろ撤退が考えられる時期となりつつありますが、現時点でその可能性は低いとみられます。



撤退しないと考えられる理由が、最近になって始まったワンマン運転用機器の搭載です。
常磐緩行線内での使用を想定しているようですが、現在進行形で設置が進められており、当面は直通運用で活躍することを裏付けているといえます。
全編成に設置するだけでもそれなりの期間がかかりそうであり、4000形が直通運用に使われた期間の記録を更新することは確定的でしょう。

そして、4000形については引退まで直通運用から撤退しない可能性もあります。
常磐緩行線への乗り入れも行うようになり、機器の設置に伴う営業運転からの離脱が多いことが、4000形とそれまでの形式との違いです。
そこまでして機器の設置をするということは、その後短期間で撤退させる可能性が低いことを意味しているといえます。

4000形は今後も直通運用で活躍し、引退の時期が訪れたら、そのまま新しい直通用の車両に役目を譲ることになるのかもしれません。
車体の幅も他形式と比べて狭いため、今の使い方を継続するほうが良いのかもしれませんね。

おわりに

常磐緩行線に4000形が乗り入れるようになってから、既に5年以上が経過しました。
3社での直通運転が始まったことで、4000形はそれまでの形式とは違った道を歩むことになるのかもしれません。